研究課題/領域番号 |
16591059
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
飯野 煕彦 (飯野 熙彦) 日本大学, 文理学部, 教授 (50059937)
|
研究分担者 |
新宅 治夫 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (00206319)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | テトラヒドロビオプテリン / カルボニル還元酵素 / セピアプテリン / BH4欠損症 / SPR欠損症 / 遺伝子異常 / AKR 1B1 / AKR1C3 / BH4生合成系 / アルド・ケト環元酵素 |
研究概要 |
SPR欠損症は、2001年にヒトで初めて報告されたが、この疾患は、従来のBH4欠損症に見られる尿中排泄各種プテリジン濃度および血中フェニルアラニンの高濃度が見られず、その値は健常者とほぼ同じであった. このことはSPR欠損のヒト体内でも、BH4合成が行われていることを強く示唆する結果である.そこで我々は、ヒトのアルド・ケト還元酵素(AKR1 family members)を用いて、PPH4からBH4合成を行うカルボニル還元酵素(CR)のヒトでの存在の有無を検討した結果、実験に用いたAKR1 family membersのうち、AKR1A1,LIB1,1C1,1C2と1C4はPPH_4の2つのカルボニル基のうち2'位を還元して1'-OX-PH_4を合成すること、中でも1B1は強い活性を持つことを明らかにした。また、AKR1C3は、1'位を還元して2'-OX-PH_4を合成する比較的強い活性を持っていた。更に、PPH4をAKR1B1であらかじめ還元した後、AKR1C3を加えると、BH4が合成されることを見いだした。 この結果はヒトにもSPRを介さない新たなBH4合成系があることを示唆し、SPR欠損患者の血中フェニルアラニンの濃度が、健常者と変わらない理由が明らかになった。一方スイスのBlauは、SPR欠損患者が高フェニルアラニン血症を示さない理由として、CRにより生成された1'-OX-PH_4が非酵素的に酸化されてセピアプテリン(SP)が生成され、その後BH4が合成されるためであると主張した。そこで、我々は彼の仮説の正否を検討するため、現在知られているもっとも感度の高い測定法を用いて非酵素的なSPの生成の有無を検討した結果、1'-OX-PH_4から、SPへの非酵素的生成は起こらないとの結果を得た。このことから、SPR欠損症の患者にみられる特徴を示す原因は、我々の発見したBH4合成のサルベージ系によるものであることが強く示唆された。
|