研究課題/領域番号 |
16591070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 国立成育医療センター(研究所) |
研究代表者 |
谷村 雅子 国立成育医療センター(研究所), 成育社会医学研究部, 部長 (90014191)
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研究分担者 |
宮尾 益知 国立成育医療センター(研究所), こころの診療部, 発達心理科医長 (70120061)
大熊 加奈子 国立成育医療センター(研究所), 成育社会医学研究部, 流動研究員 (00399487)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | テレビ視聴 / 乳幼児 / 言語発達 / コミュニケーション / ビデオソフト / 長時間視聴 / 親子関係 / 脳機能 |
研究概要 |
2003年に3地域(農村、中核都市、首都圏)の1歳6ヶ月健診対象児1900名について行った発達とテレビ環境・養育環境に関する質問紙調査(無記名)の結果、有意語出現の遅れと長時間視聴との関連性が示唆されたため、因果関係の究明研究を行った。下記の知見が得られ、乳幼児期は親子同時視聴でも長時間視聴が毎日習慣的に続くと言語発達の遅れを招く可能性が示唆された。 1.テレビ視聴時の親の発話の減少(平成16年度):7-24ヶ月児の親子14組のプレイルームにおけるテレビ視聴時の行動観察を行い、親の発話をテレビがついている時とついていない時で比較した。ついていると会話の頻度が平均6.2回/分から4.06回/分に減少し、1語文が増え、動詞・形容詞などを用いた状態説明が減少した。視聴時は会話の量と質が低下し、長時間視聴が習慣的に続くと児の言語発達に影響を及ぼす危険性が示唆された。 2.視聴内容による会話の減少(平成17年度):前年度の観察研究から、乳幼児は視聴時に反応行動(笑い、模倣、発声、指差し、質問など)を示し、親子のコミュニケーションの契機になっていたが、反応行動が出現し易い場面は多くの児で共通していた。視聴内容特性が言語発達の遅れに影響を及ぼしている可能性が考えられるため、上記質問紙調査に記載された児の好みのビデオソフト109本中104本を収集し、成人3名が視聴して映像、音声、内容等の属性を判定し、ビデオソフトが各属性を有する率を視聴時間の長短別に、有意語出現群と未出現群の2群間で比較した。未出現群の好みのビデオソフトのジャンルに特徴が見られた他、登場人物が正面向きで語り掛ける場面が少なく、画面変化が多く大人が音を消しても見続けられるものが多く、長時間視聴化やコミュニケーションの減少に繋がり易い視聴内容特性があることが示唆された。児がよく視聴するテレビ・ビデオの内容によっても言語発達の遅れに影響する可能性が考えられる。
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