研究課題/領域番号 |
16591082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
荻原 享 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00211128)
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研究分担者 |
鈴木 周平 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10278525)
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 脳低温療法 / フリーラジカル / 低酸素性虚血性脳症 / 鉄 / アスコルビン酸 / PC 12 / 新生児仮死 |
研究概要 |
新生児仮死に続く低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic-encephalopathy、以下HIE)のin vitro modelとして採用したNGF分化PC-12 cellに対する鉄-アスコルビン酸(以下Fe-AA)負荷の系において、apoptosisの誘導は30-32℃の低温下でcontrolとほぼ同程度にまで著明に抑制されることを見出し、Acridine orange/Ethidium bromide蛍光染色で37℃に比べ32℃ではapoptosisが有意に減少していることが確認された。さらに(1)mitochondria transition poreの開口は32℃で有意に抑制されていたが、(2)cytochromecのmitochondrlaからcytosolへの放出は、37℃の方が多い傾向はあるが有意差はなく、(3)caspase 3の活性化は両群で差がないことを見出した。また、細胞内redox environmentを規定しているglutathione(以下GSH)の動態に関しては、分化誘導だけでGSHは次第に低下していくが、低温によってその変化はむしろ促進されること、さらに、それにも関わらず、Fe-AA負荷によるGSH低下、GSSG上昇は37℃に比べ抑制され、37℃では負荷48時間でGSH/2GSSG redox pairのhalf-cell reduction potentialは62mV上昇するが32℃では10mVの変化に止まることも明らかとなった。以上より、低温によるapoptosisの抑制にはcaspase independent pathwayの抑制が関与している可能性があること、また、細胞内redox potentialの変化も低温抑制に関わっていることが示唆された。今後は、HIEに対する脳低温療法において、鉄キレーターとGSH donorの相乗効果の可能性が期待される。
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