研究課題/領域番号 |
16591088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) (2005-2007) 東京大学 (2004) |
研究代表者 |
朝比奈 昭彦 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), アレルギー疾患研究部, 研究員 (50202601)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 免疫学 / 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / I型インターフェロン / 乾癬 / ビタミンD / ビタミンD3 |
研究概要 |
Type I IFNは、骨髄樹状細胞(DC)の成熟を促進し、共刺激分子の発現やIL-6産生を亢進する。これをランゲルハンス細胞(LC)で検証するため、BALB/cマウスの皮膚から、panning法で高純度のLCを単離した。Type I IFNは、共刺激分子CD40、CD80やCD86の発現を抑え、CCL21に対する遊走や、異型T細胞との共培養によるMLR反応を抑制した。即ち、脾臓DCとは逆に、Type I IFNはLCの成熟や抗原提示細胞としての機能を負に制御した。さらに、Type I IFNはLCのIL-6やIL-12p40産生を濃度依存性に抑制し、IL-12p70のレベルでも抑制した。他のサイトカインやケモカイン産生への修飾様式は複雑で、脾臓DCとも異なっていた。次に、Type I IFNが病態に関わることが示唆される尋常性乾癬の患者で、皮疹局面内、局面辺縁部、および健常部から、それぞれパンチ生検を施行し、LC/DCの免疫染色を行った。LCは、乾癬の初期病変を示す局面辺縁部の表皮内でその数が増え、活性化していた。また、表皮真皮境界部にも、真皮DCが、とくに局面辺縁部で増数していた。T細胞がほとんど浸潤していないため、これらのLC/DCが、T細胞を介さずに直接表皮ケラチノサイトを刺激すると考えられた。しかしながら、Type I IFNを産生するBDCA2陽性の形質細胞様DCは、少数しか見出されなかった。以上、LCおよび真皮DCが乾癬の病像形成に果たす役割が示唆されたが、真皮DCの活性化を導くType I IFNの役割は今後の課題となった。最後に、乾癬ではビタミンD3外用剤が有効であるため、単離したマウスLCのビタミンD3に対する反応を調べたところ、Type I IFNと同様の活性制御を示す一方で、LCのIL-6およびIL-12p40は促進させ、IL-10の産生を抑制した。乾癬はTh1優位の疾患であり、先の結果と合わせて、乾癬の発症にType I IFNが関わることや、ビタミンD3が治療に有効であることをいずれも合理的に説明できない。これらの結果は、乾癬の病態に、LCよりもむしろ真皮DCが重要であることを示唆する。
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