研究課題/領域番号 |
16591116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
狩野 葉子 杏林大学, 医学部, 助教授 (20142416)
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研究分担者 |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | DIHS / NK細胞 / B細胞 / 抗けいれん薬 / CD122 / CD8^+T細胞 |
研究概要 |
1.平成16年度のDIHS患者の解析でCD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞(B細胞)、NK細胞などの活性化マーカーであるCD69発現はすべての分画で増加していたことが明らかになった。さらに、NK細胞の解析で、NK細胞ではinterleukin(IL)-15Rβ(CD122)の発現が低下し、この結果、DIHS患者では感染防御に対する基本的な機能が適切に発揮できないことが推測された。 2.DIHSの原因薬剤の薬理学的作用以外の共通した作用の検討ではDIHSの原因薬剤の大部分がimmunomodulatory potentialsを有しており、この性状により、すべてのヒトにCD19+細胞の分化に影響をもたらし、この結果、免疫グロブリンの産生が低下することが判明した。また、平成17年度のDIHS患者の末梢血のNK細胞数の経時的な解析から、NK細胞はウイルスの再活性化直前に減少していることが確認された。 3.平成16,17年度のDIHS患者の解析とNK細胞とCD19+細胞が相互に関係しているという文献的証拠と合わせて考察すると、健常人では原因薬剤を内服し続けても、通常、NK細胞のCD122を介してこの分化抑制は補われているものの、DIHSを発症する患者ではNK細胞のCD122の遺伝的欠陥があるため、NK細胞とCD19+細胞の相互関係が適切に機能していないことが推測され、ゆえに、DIHS患者では個体の感染防御に働く素因の欠陥が一因となり、ヘルペスウイルスの再活性化を容易に起こしている可能性が示唆された。 4.DIHSにおけるヘルペスウイルス再活性化はgraft-versus-host-diseaseにおけるヘルペスウイルスの再活性化の機序に類似性があり、今後、この両者のCD4+細胞、CD8+細胞、CD19+細胞、NK細胞などの変動とウイルス再活性化の時期を比較しながら検討していく必要があると推測される。
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