研究課題/領域番号 |
16591133
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
数井 裕光 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30346217)
|
研究分担者 |
池尻 義隆 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30294086)
奥 直彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40346193)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 軽度認知機能障害 / アルツハイマー病 / PET / SPECT / 記憶課題 / 遅延再認 / SPM / 脳領域 / Alzheiner's disease / mild cognitive impairment / recent memory / neural substrate / regional cerebral blood flow / statistical parametric mapping / 連合記憶 / 認知機能検査 / 頭部MRI / 脳血流SPECT / 記憶 |
研究概要 |
今回の研究より、健常者であっても高齢になると記憶機能が低下する人がいること、健常高齢者では記憶能力に個々人の差が大きくなることが明らかになった。高齢者になって低下しやすい記憶としてはprospective memoryがあることも明らかとなった。またこの個人差に影響する因子として基本的な運動能力が関わっている可能性が示された。またaMCI患者の中でADに移行する可能性の高い患者では、海馬の障害が記憶障害の責任部位として重要であることが明らかになった。これはADと診断される段階となると海馬よりも後部帯状回、頭頂葉などが記憶障害に重要であると考えられ、同じADでも進行度によって記憶障害の責任部位が移行することが示唆された。さらにaMCI患者が視覚刺激を記銘している際には、左上前頭回、左中側頭回、右契前部、左中心回、左下頭頂葉の活動が認められ、このうち左上前頭回の活動は記憶課題の成績とも相関した。記憶課題施行中海馬の活動は認められなかった。また海馬の活動と記憶課題の成績との相関も認められなかった。上前頭回はaMCIおよびADでは初期に障害される部位ではないため、この部位の活動で海馬の障害による記憶障害を代償している可能性があると考えられた。すなわちSPECTにおける海馬の血流低下およびPET賦活研究における海馬の活動低下と上前頭回の活動がADに移行するaMCIの特徴である可能性が考えられた。逆にaMCIの段階で、脳血流SPECTでは海馬を含む側頭葉内側部の血流低下が認められ、またPETの賦活検査では側頭葉内側部の活動が明らかにならずに、上前頭回の活動が認められた患者はADに移行する可能性があると考えられた。今後は多数のaMCIでこの知見を確認するとともに、ADに移行しない群ではこの所見を認められないことを確認する必要がある。
|