研究課題/領域番号 |
16591142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
池田 学 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60284395)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | MCI / 痴呆 / 中山町研究 / 記憶障害 / MMSE / 認知機能障害 / 転換率 / アルツハイマー病 / 疫学 / 年間移行率 / 危険因子 / 脳血管性痴呆 |
研究概要 |
まず、地域在住高齢者(65歳以上)を対象とした本邦における代表的な疫学調査である第1回中山調査(平成9-10年)の結果に基づき、MMSEを用いて、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment ; MCI)群を抽出した。本研究では、この第1回中山調査の参加者で、1)MMSEの総得点が24/30点以上であり(全般的認知機能障害なし)、2)MMSEの下位検査項目のうち3単語遅延再生が0/3または1/3正答であり(記憶障害あり)、3)DSMIIIRの診断基準を用いて、痴呆がないと診断され、4)基本的なADLに障害のない、対象者を抽出した。このようにして抽出した対象を、MCI群と定義した。MCIの該当者は104人(女性59人、男性45人)で、平均年齢は、女性75.5±6.7歳、男性73.6±6.8歳であった。5年後に、14人の対象者が死亡、13人が他の地域へ移動しており、6人が調査拒否であった。アルツハイマー病(AD)と診断された対象者は11人(10.6%)、脳血管性痴呆(VaD)は5人(4.8%)であった。6人(5.8%)は他の病因の痴呆(廃用症候群など)と診断され、9人(8.7%)は、MCIの状態と考えられた。一方、40人(38.5%)はMMSEスコアの改善がみられ、遅延再生において3/3の想起を示す対象者もあり、痴呆なしと診断された。これらの結果から、MCIからADへの転換率は、8.5%/100person-year、またMCIから痴呆への転換率は16.1%/100person-yearと算出された。一方、同様の方法により、中山町の42地区から無作為に選んだ1地区内在住の正常対照群74名の5年後の転帰を調査したところ、死亡が9名、他の地域への移動が2名、VaDが2名、うつ病が1名、MCIと考えられたのが1名であり、ADを発症した対象者はいなかった。
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