研究課題
基盤研究(C)
精神疾患をもたらす異常可塑性の生体内分子機構を理解するため、覚醒剤を反復投与することで薬物依存状態のサルを用いてPETと侵襲的手法とを相補的に研究展開した。平成16年度には、逆耐性モデル形成過程の脳内変化を経時的にマイクロダイアリシス法により投与前後での側坐核細胞外ドーパミン濃度を測定した結果、増加ピークが投与1回目に3倍、2回目で7倍と増感傾向にあることを確認した。平成17年度には、慢性覚せい剤投与による経時的脳内変化を[^<11>C]標識各種トレーサーを用いた経時的PET計測(線条体外ドーパミン受容体密度:D1受容体は[^<11>C]NNC112、D2受容体は[^<11>C]FLB457)、薬物依存との関係が示唆されている前頭葉皮質でのD1受容体密度が覚醒剤投与を重ねるにつれ減少、D2受容体は視床で密度増加傾向にあった。行動解析として投与前後のoral dyskinesiaを観察した結果、投与3回目より出現、1投与回数とともに増加を示し投与8回でほぼプラトーに達した(200回/分)。自律神経反応モニターとして心拍数や皮膚コンダクタンス(GSR)を経時的に測定した結果、GSRでは投与10回目頃より投与前から上昇傾向を示した。平成18年度には、4月早々事故が所内発生し11月末まで強制的に実験中止された。その間、薬物依存の本態とされる特定の薬物への渇望を特徴とした精神依存(薬物を摂取したいという欲求)を定量できる、サル類を用いた薬物静脈内自己投与実験(1969年)に準拠し、マカクサルを用いた静脈内自己投与実験用ソフトプログラム開発と提示システムを完成させた。現在、其のシステムを利用しアカゲサルを訓練、レバー押しと食物報酬のassociation、次いでPR条件で特定の報酬(バナナ・ペレット)にたいしfinal ratioを測定した。この条件で遂行中のPET局所脳血流測定中し、次のステップとして、報酬をfoodからコカインに入れ替え同様の手法でfinal ratioを測定(これがサルにとってのコカインの価値反映)後、遂行時のPET測定データと比較することで抽出される脳領域は、サルのコカインに対する精神依存に関する部位が含まれていると考えられる。
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