研究課題/領域番号 |
16591198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
稲川 正一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60303567)
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研究分担者 |
礒田 治夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40223060)
西尾 明正 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20237663)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 血管内治療 / 三次元実体血管模型 / 模擬治療 / 脳動脈瘤 / 頚動脈狭窄 / 大動脈弓 / 頭頸部 |
研究概要 |
目的;脳動脈瘤を有する頭蓋内主幹動脈や頚部内頚動脈起始部狭窄病変を含む頭蓋内主幹動脈から大動脈弓までの範囲の三次元実体血管模型(シリコン塊の中に実際の血管の内腔形状をそのまま再現したもの)および携帯可能な拍動流発生装置を作製し、両者を接続して液体をこの血管模型内に還流させ、動脈瘤に対するコイル塞栓術や頚部内頚動脈起始部狭窄に対するステント留置術を模擬し、それが実際の治療の前の訓練や模擬治療実験として有用かどうか評価する。 方法;MRIを用いて成人ボランティアの脳主幹動脈から大動脈弓までの三次元情報を取得。この情報を処理する過程で、脳主幹動脈にコンピュータ上で人為的に動脈瘤を付け加え、これをもとにシリコン塊の中に血管の内腔形状をそのまま再現した三次元実体血管模型を作製した。作成した模型を頭蓋内、頚部、大動脈弓に三分割した。同様の方法で、頚部内頚動脈起始部にコンピュータ上で人為的に狭窄を作成し、これをもとに頚部のみの三次元実体血管模型を作製した。これら頭蓋内、頚部、大動脈弓の部分血管模型を適宜組み合わせて接続し、大動脈弓から頭蓋底までの主要血管の模型とした。一方で、軽量簡便な拍動流発生装置を作製。上記三次元実体血管模型に拍動流発生装置を接続して液体を還流させ、動脈瘤に対するコイル塞栓術や頚部内頚動脈狭窄に対するステント留置術を模擬した。 結果;動脈瘤を有す頭蓋内主幹動脈から大動脈弓までの実体模型および携帯可能な拍動流発生装置が作製された。動脈瘤に対するコイル塞栓術を模擬し、血管や動脈瘤が三次元的にどのような形状をしているか、また、その中をカテーテルやコイルがどのように進み、どのように瘤壁や血管壁に接触していくかを容易に観察することができた。また、頚部内頚動脈起始部狭窄を有すモデルを用いてcarotid stentingを模擬したが、delivery system先端を狭窄部の充分遠位に挿入できず、不十分なstentingとなった。カテーテルの操作に際して生体で予想されるより大きな抵抗があったことが一因と思われた。 考察および結論;患者個々の三次元画像情報に基づいて、脳動脈瘤や頚部内頚動脈起始部狭窄を有する頭蓋内主幹動脈から大動脈弓までの実体血管を作製することが原理的に可能であることが示された。また、軽量の拍動流発生装置に接続して、脳血管内手術の一般的訓練や治療前模擬を行うことも可能であることが示された。ただし、カテーテルの操作に際して生体で予想されるより大きな抵抗があり、この点の改善が必要と思われた。
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