研究課題/領域番号 |
16591242
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
明石 真言 独立行政法人放射線医学総合研究所, 被ばく医療部, 部長 (10222514)
|
研究分担者 |
蜂谷 みさを 独立行政法人放射線医学総合研究所, 被ばく医療部, 主任研究員 (00198756)
朴 相姫 独立行政法人放射線医学総合研究所, 被ばく医療部, 研究員 (40392237)
高井 大策 独立行政法人放射線医学総合研究所, 被ばく医療部, 研究員 (20302367)
安藤 興一 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター粒子線生物研究グループ, グループリーダー (00159526)
平間 敏靖 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター・被ばく医療部, 研究員 (80243103)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 唾液腺 / アミラーゼ / 放射線 / tight junction |
研究概要 |
放射線による血液中アミラーゼレベルの上昇の機序を明らかにするために、唾液アミラーゼの産生、分ヨ泌機構の変化の2つ分けて検討を進めた。マウス、ラット放射線によりマウス、ラット血液中のアミラーゼ活性は増加し、唾液中では減少した。ヒト唾液腺由来の細胞株では、放射線により活性の上昇が観察されなかった為、マウス耳下腺細胞の初代培養を行った。初代培養細胞内のアミラーゼのレベルを免疫染色法、Western法で調べた。照射により分泌顆粒の数は減少し、細胞のアミラーゼレベルは線量に依存して減少した。一方培養液中には上昇が観察された。この細胞は放射線によりapoptosisは誘導されなかった。マウス、ラットの導管を機械的に結紮したところ、血液中のアミラーゼが上昇した。これらのことより、唾液腺で産生されたアミラーゼが何らかの機序で血液中に逸脱している可能性を示した。ヒトアミラーゼを導管より投与し血液中のアミラーゼ活性を非変性ゲルで泳動、染色したところ、照射マウスでヒトアミラーゼが増加していた。光顕像で照射されたラットの耳下腺を非照射と比べると間質腔が広がり浮腫像を呈し分泌顆粒の減少(縮小化)、また一部の腺房細胞に空胞がみられた。さらに、ラットの静脈よりマーカーを投与し、電子顕微鏡で耳下腺の腺房細胞を観察した。マーカーの分子量に係らず、照射ラットでは細胞間隙を通って腺腔にマーカーが観察されたが非照射ラットでは観察されなかった。また唾液腺導管よりマーカーを投与すると、、照射ラットでは細胞内にも観察された。唾液腺細胞は細胞分裂をあまり行わず、放射線抵抗性であると考えられていることから、放射線による血液中のアミラーゼ活性の上昇は、apoptosisや細胞での産生増加によるのではなく細胞間のtight junction機構が破綻し、細胞間隙に漏出したアミラーゼが血液中に逸脱する可能性が示唆された。
|