研究分担者 |
西川 敦 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (20283731)
山本 浩文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30322184)
池田 正孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80335356)
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00301268)
宮崎 文夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20133142)
|
研究概要 |
期間中に得られた研究実績の概要は以下の通りである。 腹腔鏡下手術におけるスコープ操作を,術者の顔の動きからセンシングし,コントロールするシステム(フェイストラッキングシステム)を開発した。このシステムでは、術者の顔の動きをシステムが感知し腹腔鏡をコントロールする。すでに開発され市販されている腹腔鏡コントロールロボットとしてイソップがあるが、操作方向の自由度や操作の容易度においてより優れたシステムを開発した。 上記のインタフェースでは腹腔鏡をコントロールするために術者が自ら指示を顔の動きで行う必要があったが、術者がさらに快適にスコープをコントロールするために、システムが術者の動きから自動的に腹腔鏡の位置を定めて適切な視野を確保するシステム(autonomous system)を開発した。このシステムでは、腹腔鏡手術モニター画像に描出される術者の鉗子操作パターンや,臓器位置等の画像情報を解析処理し,手術に最適な視野となるようにスコープが自動的に移動する。具体的には,(1)手術前に作業領域を計画し,術中の器具やスコープの3次元情報を基に,スコープを完全自動追跡する,(2)術中に鉗子を用いて注目点をポイントすると,その部位が画面の中央に来る様にスコープが自動制御される,というものである。マニピュレータの制御部は、"術者が手術直前に作業の対象となる場所を手術器具先端でポインティングし、同時に、その場所で作業を行うのに最適な画像の拡大率(作業場所から腹腔鏡先端までの距離)を決定して、PCに記憶させる術前プランニング"と"手術開始後は、手術器具先端が作業領域内に存在するかどうかによって自動で腹腔鏡の位置決めを行う術中の腹腔鏡自動位置決め"から成る。 以上の2つのシステムを開発し、豚の胆嚢摘出術を成功させることができた。
|