研究課題/領域番号 |
16591259
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
古谷 彰 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90346552)
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研究分担者 |
濱野 公一 山口大学, 医学部, 教授 (60263787)
伊東 博史 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (90363100)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血管新生 / 糖尿病 / 高脂血症 / 血流 / 虚血 |
研究概要 |
自己骨髄細胞の虚血臓器局所への直接注入による血管新生治療法は難治性下肢虚血性疾患に対する新たな治療手段として注目されている。しかし、多くの下肢虚血性疾患患者は糖尿病や高脂血症などの全身疾患を抱えているのが現状である。本研究では糖尿病・高脂血症を自然発症するZucker Fattyラットと健常なZucker Leanラットを用いて、糖尿病・高脂血症が骨髄細胞による血管新生誘導に及ぼす影響について検討した。 両群の骨髄単核球細胞(以下BMC)の培養後の経時的細胞生存率には有意差を認めなかった。しかし、血管成長因子(VEGF)の産生能、血管内皮細胞への分化率はZucker FattyラットのBMCにおいて有意に低値であり、糖尿病・高脂血症では血管新生に必要な骨髄細胞機能が低下していることが明らかとなった。さらに、虚血後の血流自然回復率と下肢筋肉内の血管密度ともZucker Leanラット(健常群)に比較してZucker fattyラットでは有意に低値であり、糖尿病・高脂血症環境下では虚血後の自己回復能が低下していることも明らかとなった。Zucker fattyラットを用いて作製した下肢虚血モデルに対して商群のBMCおよび生理食塩水(対照)による血管新生治療を行うと、Zucker fattyラットのBMCでは対照に比べ、血流改善率・血管密度とも有意に高値であり血管新生効果は認められた。しかし、健常群のBMCではZucker fattyラットと比較して血流改善率・血管密度とも有意に高値であり、両群の骨髄細胞機能の差が血管新生効果に反映された。 以上より、糖尿病・高脂血症では血管新生に必要な骨髄細胞機能が低下しているために、血管新生誘導効果の低下を引き起こすこと明かとなった。今後は骨髄細胞機能を改善する手段などの血管新生効率を改善するための研究を継続する必要があると思われた。
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