研究課題
基盤研究(C)
[目的]臓器移植は各種疾病に対する究極の治療選択といえる。しかしドナー不足の問題は一向に解決されず、再生医療により作成された素材による細胞移植や人工臓器の研究は一層盛んになってきた。以前われわれはラットES細胞を作成し、肝、歯痕、膵細胞などへと分化させ各種移植実験に成功している。同様の方法で生命倫理上問題が少ないヒト羊膜を使用し肝移植に使用できる肝細胞組織を作ることを目的とする。[方法]ヒト初期胚羊膜を細切解離後、初代培養細胞中に発生する小型球形細胞集団をcolonial cloningし、LIF添加静置維持培養しHEAC細胞と名付ける。Embryotrophic factors添加しつつ、この細胞を懸濁培養し3胚様体を作成後、浮遊潅流培養し胚子様モンスターを作成しヘム蛋白を含有する原始肝細胞組織(HEAC-L)を採取した。四塩化炭素誘発肝障害ラットを作成、HEAC-L細胞を10^8個移植したときの生存率を観察し、血中のプロトロンビン時間(PT)値、アンモニア(Anm)、そしてビリルビン(TBil)値を比較した。[結果]HEAC-L細胞はorganellaの豊富な小型球形細胞でcontact inhibitionと正常核型を有し長期間安定したphenotypeが確認された。CCl_4誘発肝障害ラットの脾臓に移植するとcontrolに比べ生存率(約33%→85%)の改善が認められた。さらに肝障害時における、PT、Anm、TBil値などを改善し肝代謝機能の存在が確認された。[考察]素材として倫理上問題が少ないと思われるヒト早期羊膜を使用し、肝組織を誘導した。CCl_4誘発肝障害ラットの脾臓に移植することにより生存率と肝機能を改善することが確認された。樹立されたcell lineが肝障害患者の治療としての肝細胞移植、ハイブリット型人工臓器の研究に利用しうる可能性が示唆された。
すべて 2009 2008 2007 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (11件)
日本外科学会雑誌 109
ページ: 264-264
実験医学 26(5)
ページ: 192-198
Experimental Medicine Youdosha 26(5)(In Japanese)
World Transplant Congress 2006
ページ: 576-576
外科と代謝・栄養 40巻30号
ページ: 30-30
World Transplant Congress
Journal Of Japanese Society For Surgical Metabolism And Nutrition 40(3)
外科と代謝・栄養 40巻3号
日本外科学会誌 106
ページ: 171-171
日本外科代謝栄養学会誌 34巻1号
ページ: 57-57
Transplant Proceeding 37
ページ: 262-264
日本外科学会誌 第106巻・suppl
日本外科代謝栄養学会誌 39巻・1号
再生医療学会雑誌 Vol.4 suppl
ページ: 228-228
Transplantation Vol.78.suppl
ページ: 165-165