研究課題/領域番号 |
16591326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 雅史 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30372741)
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研究分担者 |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
田中 雅夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30163570)
山口 幸二 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50191226)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Hedgehog / 癌 / 浸潤 / EMT / Cyclopamine / 膵癌 / 乳癌 / 大腸癌 / シクロパミン / 微小管 / 細胞変形能 |
研究概要 |
本研究の標的である腫瘍細胞の変型・移動能は中心体-微小管系とactin系が互いに呼応した統合作用であり、微小管の変化に応答するシグナルの同定が必要である。微小管の脱重合阻害剤paclitaxelを細胞に作用することにより活性が制御されるシグナルの同定・解析を行った。(1)paclitaxelにより活性制御されるシグナルの同定:paclitaxel存在下の腫瘍細胞内では、極性決定や上皮-間葉転換(EMT)と密接な関連が示唆されているHedgehog(HH)シグナルの活性が変化していることが明らかになった。(2)各種癌組織におけるHHシグナルの活性化:乳癌・膵癌・胃癌においてHHシグナルがリガンド依存性に活性化されていることが、免疫染色・real time PCR・ウエスタンブロッティングの結果明らかになった。これに対し、後腸系消化器の癌である大腸癌ではHHシグナルが不活化していた。発生学的なHHシグナルの役割である前腸系でのsurvival、後腸系でapoptosisをもたらす作用が癌組織においても保存されていることが示唆された。(3)HHシグナルの細胞変形・浸潤機能との関連性解析:腫瘍細胞を用いたinvasion assayの結果、膵癌細胞ではHHシグナルの活性化により浸潤能が高進し、HH阻害剤であるCyclopamine投与により阻害されることが明らかになった。(4)HHシグナルの制御法開発:上記のCyclopamineは、技術的な問題より大量生産は困難とされている。今回、HHシグナル系の阻害剤作成を目的に、HHシグナル因子に対する抗体を作成した。抗体投与により、HHシグナル依存細胞の増殖抑制がもたらされることが明らかになった。今後、変形・浸潤機能に対する影響を検証していく。
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