研究課題/領域番号 |
16591329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 (2005-2006) 大分大学 (2004) |
研究代表者 |
佐々木 淳 九大, 大学病院, 講師 (20336283)
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研究分担者 |
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
田中 文明 九州大学, 大学病院, 助手 (30332836)
北野 正剛 大分大学, 医学部第一外科, 教授 (90169871)
太田 正之 大分大学, 医学部第一外科, 講師 (80271104)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 樹状細胞 / 再発予防 / 免疫療法 |
研究概要 |
肝細胞癌切除例における末梢血単核球数に関する検討 大分大学第一外科において治癒切除された肝細胞癌198例を対象に、術前の末梢血単核球数と臨床病理学的因子との関連、術後の予後について検討した。術前の末梢血単核球数が300mm^3/mlより増加している症例では、男性、肝硬変に至っていない症例、血小板数が保たれている症例の頻度が高い一方で、血管侵襲陽性の頻度が高く、腫瘍径が大きい結果であり、腫瘍が進行している症例で末梢血単核球数が増加していることが明らかとなった。さらに、術前の末梢血単核球数が300mm^3/mlより増加している症例では、多変量解析にて術後の無再発生存率が不良であることが判明した。このことから、進行した肝細胞癌患者においては、末梢血中に腫瘍免疫を司るナチュラルキラー細胞やリンパ球を抑制的に制御する樹状細胞やT細胞が増加し、抗腫瘍免疫が低下していることが示唆された。この検討より、本治療をより効果的に行うために、対象症例を術前の末梢血単核球数が300mm^3/mlより低い症例に絞り込むこととした。尚、この結果に関してはSurgery誌に投稿し、現在印刷中である。 また、肝細胞癌に対する術後再発予防治療としての樹状細胞免疫治療においては、接種した成熟樹状細胞が効率的に腫瘍特異的細胞傷害性Tリンパ球を誘導することが必須である。上記の検討から、接種した成熟樹状細胞の働きを低下させる抑制性樹状細胞や抑制性T細胞が末梢血または腫瘍内に存在している可能性があり、これらの働きや臨床的意義を明らかにすることが極めて重要である。現在、肝細胞癌内における抑制性樹状細胞ならびに抑制性T細胞について解析中である。
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