研究課題/領域番号 |
16591334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
秦 史壮 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70291557)
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研究分担者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
傳野 隆一 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (40163943)
西森 英史 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70336402)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | osteopontin / 膵癌 / 肝転移 / 動物転移モデル / 遺伝子発現 / 中和抗体 / 遺伝子導入 / RNAi / osteoponitn |
研究概要 |
当施設におけるDNA chip解析により、低転移性親株HPc-3と比較し高肝転移株HPC-3H4においてOPNの発現量が増強し、ELISAによるタンパク発現量も数十倍増強していることを確認した。さらに、樹立途中の細胞株において、肝転移率の上昇に比例し、OPN発現の段階的上昇を認め、OPNが肝転移に何らかの関連があることが示唆された。 OPN発現ベクターをHPC-3に導入した細胞株HPC-3(OPN)の転移能を解析したが、手転移促進には至らなかった。 一方、転移抑制の試みとして、HPc-3H4にoPNに対するsiRNAを発現するベクターを導入した細胞株HPC-3H4/miR-OPNの転移率を解析した。HPC-3H4/miR-OPNの肝転移率は25%(2/8)であり、OPNの発現阻害による転移抑制効果を認めた。 高肝転移株HPC-3H4を用いて、OPN中和抗体による肝転移抑制効果を検討したところ、コントロール群では100%(10/10)の肝転移率であったのに対し、中和抗体群では、50%(5/10)と著明な肝転移抑制効果を認めた。 以上の結果より、RNAiおよび抗体によるOPN阻害が膵癌肝転移を抑制した。予後不良な膵癌治療成績の向上のため臨床応用に向け重要な結果であると判断した。術前の生検材料あるいは手術標本の遺伝子発現解析より、osteopontinの発現増強を認めれば、今後肝転移を生じる可能性が非常に高いことが示唆される。従って、肝転移を念頭においた術後follow upおよび補助療法を選択する上で本遺伝子発現が重要なマーカーとなりうる可能性が示唆された。また生体内に直接導入可能なベクターが開発されれば、強力な術後補助療法となり、膵癌の手術成績および生存率向上に飛躍的な効果をもたらすものと考えられた。
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