研究課題/領域番号 |
16591354
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
福島 亮治 帝京大学, 医学部, 教授 (50228897)
|
研究分担者 |
沖永 功太 (冲永 功太) 帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
田島 マサ子 帝京大学, 医学部, 助手 (20211360)
川口 寧 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60292984)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | Epstein-Barr virus / 発癌 / EBER / LPM-1 / BALB / cマウス / EBV感染 / 胃癌 / EBV / マウス / EBウイルス / 消化器感染 / マウス感染 / EBV-NA / EBV-LHP-1 / EBV-EBER / GTC-4-EBV |
研究概要 |
Epstein-Barr virus (EBV)は一部の胃癌との関連が指摘されている。我々はEBVと胃癌の関連性を解明するために、胃癌組織からEBVを産生する上皮系の細胞株(GTC-4細胞株)を樹立し、その樹立細胞株からマウスに感染を引き起こすEBVを産生する細胞株をクローニングした(GCT-5細胞株)。GCT-細胞株が産生するEBV (以下GTC-5-EBV)のin vivo消化器系への感染性や発癌性について検討した。 【対象と方法】(1)7週令雄性BALB/cマウスの胃内にアルコールを注入して急性粘膜障害を起こした後に、胃内にウイルスを注入した。尚、EBVの再活性化には高濃度のn-butylate(1500μg)を必要とした。マウスはウイルス注入後24時間から13カ月まで経時的に犠死せしめた。各種臓器を採取し、免疫組織法とEBEAプローブ(EBV-RNA)を用いたIn situハイブリト法でEBVの検索を行った。免疫組織染色の一次抗体は3種類のヒト血清と単クローン抗体として抗Lb1P-1、抗EA、抗NA-1、抗NA-2を用いた。(2)若年齢(6 week)と老齢(10 month)のヌードマウス(BALB/c)にGTC-5-EBVを週に1回、計8回接種して発癌が起こるかを検討した。 【成績】(1)アルコールで粘膜が傷害されたマウスでは、EBV注入後24時間でNA-2、EBERを、72時間以後ではLPM-1、NA-1蛋白を胃上皮細胞を中心に認めた。9ケ月目では胃と腸組織の腺底部にEBER陽性細胞の増殖を認め、腺癌と考えられた。これらのLMP-1とEBV-DMAは陰性であった(2005消化器学会、2006年日本外科学会総会、2006年EBウイルスシンポジュウム)。13ヶ月目のマウスでは、肝臓、胃、脾臓に悪性腫瘍を認めたが、EBERは検出感度以下であった(2006年日本消化器学会)。(2)加齢ヌードマウスではEBV接種後すべてのマウスの胃、腸に腺癌を認め、何れも死亡した。一方若齢マウスでは6カ月の観察で、皮膚発疹、リンパ節と脾臓の腫大を認めたが腫瘍は形成されなかった(2006年日本外科学会、2006年日本消化器学会2006年EBウイルスシンポジュウム)。 【まとめ】我々が樹立したGTC-細胞株が産生するEBVはマウスに感染し、胃・腸に腺癌を引き起すことが判明した。このEBV発癌モデルは、EBV関連発癌の機序の解明や、治療法開発を行う上で有用なモデルとなると考えられた。
|