研究課題/領域番号 |
16591365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
工藤 光洋 日本医科大学, 医学部, 助手 (20256978)
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研究分担者 |
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90203041)
内藤 善哉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20237184)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 再生医学 / 発生、分化 / nestin / 膵再生 / 膵前駆細胞 / 急性膵炎 / progenitor cell / 転写因子 / FGF-7 / FGF-10 |
研究概要 |
【ラット膵臓切除モデルを用いた転写因子発現の検討】: 膵切除後3,714,21日後の膵臓組織を採取し中性緩衝ホルマリンで固定後、パラフィン包埋切片を作製し免疫組織化学的検討を行った。1)Ki-67 labeling index;腺房細胞、導管細胞、さらにラ氏島の内分泌細胞に多くの陽性細胞を確認した。膵切除3日後でcontrol群に比し有意に増加し、7日目以降減少傾向を示した。2)PDX-1陽性細胞はcontrol群に比し膵切除群で多数の細胞に観察されることから、PDX-1の発現が膵切除後に増強していることが示唆された。3)FGF-7、FGF-10のレセプターであるFGFR2-IIIbはラ氏島のα-細胞に発現しており、α-細胞の分化や機能発現にFGF-7、FGF-10が関与している可能性が示唆された。 【ラットアルギニン誘発急性膵炎モデルでの検討】: 【目的】成体の膵臓では、膵内分泌細胞や膵管においてもnestinを発現した細胞の存在が確認されており、膵細胞の前駆細胞としての機能を有する細胞と考えられている。ラットのアルギニン急性膵炎モデルにおける膵細胞再生におけるnestin陽性細胞の局在と膵細胞での発現について検討した。 【結果】アルギニン投与6時間後Ki-67陽性の腺房細胞が増加し、投与4日後、多くの外分泌細胞と微小血管内皮細胞にKi-67陽性所見がみられた。投与7日、14日には、多くの外分泌細胞が再生され、Ki-67陽性細胞は減少した。Nestinタンパク発現はアルギニン投与後24時間後から増加し4日後、未処置群に比して最大9.5倍の発現を示した。Nestin陽性細胞は正常の膵臓では、ラ氏島内の微小血管内皮細胞に陽性を認め、他の細胞では陽性細胞を認めなかった。一方、アルギニン投与4日後では多くの微小血管内皮細胞にnestin陽性を認め、さらに星状細胞、中皮下細胞にもnestin陽性細胞を認めた。 【結語】アルギニン膵炎モデルにおいて、膵炎からの回復過程において一過性に高発現したnestin陽性細胞は、腺房細胞、導管細胞のみならず、微小血管内皮細胞、星状細胞、中皮細胞の前駆細胞としての機能を有することが示唆された。
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