研究課題/領域番号 |
16591372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
權 雅憲 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70225605)
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研究分担者 |
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (30333199)
里井 壮平 関西医科大学, 医学部, 助手 (90340695)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | フィブロネクチン / 外科侵襲 / 感染防御 / サイトカイン / アポトーシス / エンドトキシン / ショック / 創傷治癒 / 生体保護作用 / MRSA / オプソニン / 熱傷 / Galactosamine |
研究概要 |
われわれはフィプロネクチン(Fn)のエンドトキシン(LPS)ショックや肝不全モデルでの生体保護作用と機序、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)感染治療の可能性、術後創傷治癒促進効果を検討した。ラット肝切除後LPS投与モデルにおいて、Fn投与群はControl群よりも有意な生存率の改善を認めた。炎症性サイトカイン(INF-α、IL-1β、IFN-γ)は血清、肝組織ともFn投与群で有意にその増加が抑制された。さらにF群では転写因子nuclear factor(NF)-κB活性の有意な発現抑制、TUNEL染色のpositive indexの有意な抑制、肝組織中のBcl-XLの活性亢進とcaspase3、8の抑制が認められた。肝切除後エンドトキシンショックモデルにおいて、Fnは炎症性サイトカインとアポトーシス抑制により生体保護効果をもたらした。GalN/LPS投与に肝不全モデルでは、NF-κBの活性化抑制による炎症性サイトカイン産生抑制とIL-10の亢進、Bcl-xLの発現の抑制を介して、マウスの生存率を有意に改善した。また、熱傷マウスを用いたMRSA菌による敗血症モデルにおいて、FnはMRSA菌のprotein-Aと特異的に結合し、オプソニン作用を介した食:細胞の食食能を向上により、MRSA菌による敗血症を予防できたことから、抗生剤耐性菌の出現のないMRSA治療が可能であると考えられた。最後に、術後のFn投与は皮膚および腹壁縫合部の抗張力維持に有効であり、従来、術後の創部移開はアルブミン低下による低栄養状態が強調されてきたが、術後における血清Fn濃度の維持が創傷治癒に重要であった。創傷治癒過程においては、Fn-インテグリン系を介した細胞の伸展や移動が必須であり、さらに、Fnとフィブリンα鎖やコラーゲンとの架橋形成が創部の抗張力維持に寄与していると考えられた。
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