研究課題/領域番号 |
16591388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
上坂 孝彦 福井大, 医学部附属病院, 助手 (00283177)
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研究分担者 |
田中 國義 福井大学, 医学部, 教授 (70144251)
森岡 浩一 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (80210144)
李 偉 福井大学, 医学部, 助手 (80362044)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 血小板由来内皮細胞成長因子 / 血管平滑筋細胞 / 血管閉塞性疾患 / 血管新生 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
目的:我々はヒトの血小板由来内皮細胞成長因子(PD-ECGF)のcDNAを犬の慢性虚血心筋に直接注入することにより血管新生の促進、心筋梗塞サイズの減少、心機能の改善と共に、心筋細胞のアポトーシスの抑制等の成果を確認してきた。今回、心臓を構成する主要な細胞の一つである血管平滑筋細胞に対するPD-ECGFの作用を検討した。 方法:ラット大動脈から培養した血管平滑筋細胞にヒトPD-ECGF遺伝子を導入し、PD-ECGF高発現細胞株(C2)およびカラベクターを導入した細胞株(pC)を確立し、その増殖能、細胞周期の進行などを解析した。 結果:MTT Assayにより、基礎状態下、血清刺激状態下および低酸素状態下のC2細胞の増殖能は対照細胞株pCと比べて、有意に低下した。ストレスタンパクであるhemeoxygenase-1(HO-1)の発現およびその活性はC2細胞において有意に増加しており、PD-ECGFおよびHO-1活性抑制剤によりHO-1の発現が有意に抑制され、C2細胞の増殖が有意に増加した。更に、細胞周期を分析したところ、C2細胞において細胞周期の進行はG1期に抑制され、細胞周期の進行に関わるCyclin-dependent kinase inhibitor(p27KIP1)は有意に増加した。PD-ECGFおよびHO活性抑制剤はC2細胞におけるp27KIP1の発現を有意にpC細胞レベルまで抑制した。 結論:PD-ECGFの過剰発現はHO-1およびそれに伴うP27KIP1の誘発により血管平滑筋細胞の増殖を抑制する。PD-ECGFは血管閉塞性疾患に対する遺伝子治療として有用であることが示唆された。 現在、血管内皮細胞、心筋線維芽細胞、心筋細胞に対するPD-ECGFの作用を検討中である。
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