研究課題/領域番号 |
16591389
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
天野 純 信州大学, 医学部, 教授 (20138283)
|
研究分担者 |
中山 淳 信州大学, 医学部, 教授 (10221459)
藤森 実 信州大学, 医学部, 助教授 (00262725)
伊藤 研一 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (10334905)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 心臓粘液腫 / Wnt / βcateninシグナル / βcatenin / APC遺伝子 / プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / コンドロイチン6硫酸 / バーシカン / 心臓 / 粘液腫 / Wntシグナル / βカテニン / 糖タンパク / βカテキン |
研究概要 |
心臓粘液腫は心臓原発腫瘍の約半数を占める良性腫瘍で、その発生母地や発生機序が未だ解明されていない。 Wnt/βcateninシグナルは、Wntタンパクが細胞表面のFrizzledレセプターに結合し、GSKのリン酸化作用が抑制されてβcateninの分解が妨げられ、過剰に細胞質に蓄積したβcateninが核内移行して細胞増殖を制御する因子の転写を促す。またβcatenin分解にかかわるAPC遺伝子、Axin遺伝子の変異やWntタンパクの過剰発現が細胞の異常増殖を引き起こすとされている。本研究で心臓粘液腫でWnt-1タンパクの過剰発現によってβcateninの細胞内および核内蓄積が引き起こされている可能性が示唆された。また、この伝達経路を抑制すると粘液腫細胞の増殖と生存が抑制されることから、Wnt/βcateninシグナルが心臓粘液腫の発生と増大に深く関与している可能性が示唆された。 心臓粘液腫の間質のプロテオグリカンやグリコサミノグリカン(GAG)の分布を、免疫染色(ケラタン硫酸、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン6硫酸、デルマタン硫酸、バーシカン、ヒアルロン酸)および特殊染色によって局在を検討した。その結果、心臓粘液腫のchannel構造とプロテオグリカンの局在が相関し、特にコンドロイチン6硫酸をGAGにもつバーシカンの存在が心臓粘液腫の特徴的な組織構造形成に重要である可能性が示唆された。同時にchannel構造におけるプロテオグリカンの局在と通常の血管構造におけるプロテオグリカンの局在との相同性から、心臓粘液腫の発生母地あるいは分化の方向が血管である可能性が示唆された。さらにこのバーシカンはWnt/βcateninシグナル伝達経路の下流遺伝子であるとの報告もあり、今後さらに研究を重ねることにより、心臓粘液腫の発生と増殖の原因に迫ることができる可能性があると考えられた。
|