研究課題/領域番号 |
16591411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
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研究分担者 |
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20198724)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
江口 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90232941)
藤本 博行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20338073)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 気管支鏡 / マイクロサンプリング法 / 気道上皮被覆液 / 肺癌 / プロテオミクス / 腫瘍マーカー / マイクロサンプリング / プロテオーム解析 / 気道被覆液 |
研究概要 |
われわれは気管支鏡下に低侵襲で気道上皮被覆液(ELF)を採取し、ELF中の各種バイオマーカーを分析する気管支鏡下マイクロサンプリング法(BMS)を開発してきた。本法を肺癌症例に対して応用してきた。 腫瘍マーカー解析:16例の末梢型肺腺癌16例(腫瘍径8〜28mm、平均16mm)と15例の非癌患者に本法を施行した。肺腺癌の診断は全例で手術検体より確認された。気管支鏡チヤンネルよりBMSプローブを挿入しX線透視下にELFは腫瘍の近傍約2c田以内から採取した。また、非腫瘍側からもELFを採取した。 ELF中の腫瘍マーカー(CEA、CYFRA、SLX)を測定したところ、腫瘍近傍のCEA、CYFRAは非腫瘍側よりも有意に上昇していた。SLXに有意な上昇は見られなかった。ROC(Receiver Operating Characteristic)カーブの解析ではCYFRAが至適曲線を示した。この結果は腫瘍組織周囲のELF中で上昇した腫瘍マーカーを測定したものと考えている。BMS法は末梢型肺癌の補助的診断法として有用と考えられる。 プロテオーム解析:BMS法によって回収したELFのプロテオーム解析が可能かを検討した。1)ラット用BMSプローブを開発し、LPS誘導肺障害ラットモデルにおいてELF中のプロテオーム解析(SELDI-ToF-MS法、プロティンチップシステム)を行った。本モデルのELFではTNF-αが上昇することが判明しているが、LPS投与後のラットで31900、47300Da付近にタンパクピークが出現した。コントロールラットおよびTNF-αアンタゴニスト投与後ではこれらのピークは認められなかった。2)腫瘍マーカーと同様に肺腺癌患者より腫瘍近傍のELFを採取しSELDI-ToF-MS法を行ったところ、非腫瘍側では見られない複数のタンパクピーク(3460、5230、9280、20800Daなど)が観測された。ELF中のプロテオーム解析は可能であり、肺癌に関連した新たなマーカーの発見などにつながる可能性があると考えられた。 BMS法は小型肺腺癌の診断に有用である。
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