研究課題
基盤研究(C)
ビーグル犬を実験動物として用い、全身麻酔のもと骨髄細胞を採取し、Ficoll法により骨髄単核球細胞を分離した。それをスポンジ状のポリカプロノラクトンとポリ乳酸からなる共重合体ポリマーを補強材であるポリグリコール酸に塗布したハイブリッドポリマー(8×10mm)上に播種した。インキュベータ内にて自己血清に浸した状態で1-2時間放置し、右開胸下に下大静脈に移植した。同モデルにて、今回は再生血管の内皮機能、生力学的強度の検討を行った。昨年の研究にて、骨髄単核球細胞と生分解性ポリマーにより再生血管(8mm)が作成できることを証明した。吸収期間の短い生分解性ポリマーを使用することにより異物の残存期間を短くし、早期の組織形成を可能とした。まず1ヶ月における内皮機能を検討した。1ヶ月で織学的に内皮細胞に被覆された再生血管(2cm)の作成を確認したが、これまで機能を検討したものはこれまでにないためである。アセチルコリン(Ach)により再生血管の内皮を刺激し、それが内皮を剥がしノルアドレナリンにより収縮させた動脈を弛緩させるかの試験を行い、Achの濃度依存性に動脈を弛緩させた。また、この反応は阻害剤(L-NAME)にて抑制された。また、AchによるNOの産生をELISA法で検討したところ、濃度依存性にNO(NO_2^-+NO_3^-)の産生増加を認めた。また.RT-PCRにてeNOSmRNAの半定量を検討したところ、1ヶ月より3ヶ月で増生を認めたが、正常静脈と再生血管を比較した場合、統計学的に差が認められなかった。生力学的試験では、1ヶ月の強度が最も低いが、材質のみの1ヶ月での強度よりも強く、経時的に強度を増加させ、約6ヶ月で正常静脈の強度と差がなくなるまでになった。再生血管の瘤化や破裂例は認められなかった。本研究により、ポリグリコール酸を補強剤とした再生血管は、早期の組織形成を可能とし、組織学的に約6〜12ヶ月で静脈様組織の作成を可能とし、正常な内皮機能と適正な力学的強度が得られることが判明した。
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