研究課題/領域番号 |
16591424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
光冨 徹哉 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 研究員 (70209807)
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研究分担者 |
谷田部 恭 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 研究員 (90280809)
高橋 隆 名古屋大学, 大学院・神経疾患腫瘍分子医学研究センター・腫瘍病態制御部門, 教授 (50231395)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 肺癌 / EGFR / K-ras / p53 / 予後因子 / 感受性因子 / 転移リンパ節個数 / データベース / PIK3CA / PTEN / 上皮成長因子受容体(EGFR) / 腺癌 / K-ras遺伝子 / p53遺伝子 / 非喫煙者肺癌 |
研究概要 |
本研究開始直後の2004年4月に肺癌における上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の突然変異が発見された。従って、分子生物学的な解析はEGFR、K-ras、p53、PIK3CA遺伝子の突然変異と臨床像との関連を明らかにすることを中心に行った。 277例の肺癌におけるEGFR遺伝子突然変異は111/277例(40%)に認められた。頻度が高いものはエクソン19の欠失変異(52例、47%)と、エクソン21のコドン858の点突然変異(49例、44%)であった。臨床病理学的因子別には、女性59%、男性26%(P<0.0001)、非喫煙者65%、喫煙者22%(P<0.0001)、腺癌49%、その他2%(P<0.0001))と、それぞれ有意差を認めた。また、EGFR変異とK-ras変異が排他的関係にあることを明らかとした。一方、p53遺伝子変異は頻度においてはEGFR遺伝子変異と独立しておこっていた。 ゲフィチニブの投与をおこなった59例のうちEGFR遺伝子の突然変異は33例、56%に認めた。ゲフィチニブ投与効果のみられたものはEGFR変異33例のうち、24例、83%、変異なし群においては2例、10%と、投与効果と変異につき有意な相関を認めた。また、EGFR変異のある症例はゲフィチニブ投与後の生存期間が有意に延長していた(p=0.0053)。さらに、K-ras突然変異は9%に、PIK3CA変異は2%に認められた。K-ras変異はのある症例では奏効例は一例もなかった、また生存期間も短かった。PIK3CAを有していた2例には同時にEGFR変異も存在し、ゲフィチニブは奏効した。 また、臨床面のデータベースの拡充のために、肺がんにおける転移リンパ節個数と予後に関して検討した。転移リンパ節個数は有用な予後因子であり、現在のTNM分類にさらなる情報を付加することが可能であると思われた。
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