研究概要 |
●平成16年度 ラット慢性脳低灌流モデル作成と脳筋接合術(EMS)前後の脳血流(CBF)99mTc-PAO SPECT。総頸動脈(CCA)-外頸静脈(EJV)瘻モデルと両側CCA結紮モデル作成1週後及びEMS(径8mm骨窓と硬膜除去,側頭筋を脳表に接触)を追加施行3週後に撮像した。瘻モデルは瘻作成側の脳血流低下を、結紮モデルで両側大脳CBF低下を認め、EMS3週後には両モデルともCBFの改善を示した。 ●平成17年度 1.両側CCA結紮モデル1週後EMSと持続bFGF2週間投与効果。3週後に3群で脳虚血性変化と脳実質内血管新生の明らかな違いは認めずbFGF投与部位に繊維化がみられた。 2.CCA-EJV瘻モデルのCBF絶対値測定(^<14>C-IMP):両側大脳CBF絶対値は術後4週で有意に(約60%)低下した。 3.急性MCA閉塞90分モデルの神経新生:梗塞巣と周辺にBrdU陽性細胞を認め病側側脳室subventricular zone(SVZ)のBrdU陽性細胞が増加傾向であった。海馬歯状回subgranular zone(SGZ)では両側共にややBrdU陽性細胞の増加傾向を認めたが左右差はなかった。 ●平成18年度 CCA-EJV瘻モデルの神経新生。モデル作成8週後に潅流固定。摘出脳をSVZからOlfactory bulb(OB)まで2mmおき冠状断6slice(SVZ+0mm, +2mm, +4mm, +6mm, +8mm, OB)作成。PSA-NCAM陽性細胞はSVZからOBにかけて存在しRostral migratory stream(RMS)を形成していた。PSA-NCAM陽性細胞数と分布に対照群と瘻モデルで差を認めなかった。BrdU陽性細胞をRMSにのみ認め、慢性脳低潅流状態ではcontorolと比較して幼若神経細胞の遊走が有意に遅れていた。
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