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肺移植後の再潅流肺傷害における炎症性サイトカインの変動と人工心肺の影響

研究課題

研究課題/領域番号 16591540
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 麻酔・蘇生学
研究機関岡山大学

研究代表者

五藤 恵次  岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (00234980)

研究分担者 伊達 洋至  岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (60252962)
溝渕 知司  岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70311800)
研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード肺移植 / 再灌流傷害 / サイトカイン / 人工心肺 / 再灌流肺傷害 / 炎症性サイトカイン / 再灌流障害
研究概要

岡山大学では平成10年10月に日本で初めての生体部分肺移植を施行し成功して以来、平成19年3月までに55例の肺移植を施行し、51例が現在生存している。この成績は日本のみならず世界的にも最高である。しかしながら、多くの症例において術中の移植直後から術後数日間にかけて虚血再灌流傷害が原因と考えられる呼吸不全が発生し、人工呼吸療管理が必要となっている。我々の研究目的は,肺移植後の虚血再灌流傷害における炎症性サイトカインと好中球エラスターゼの移植前,移植肺への再灌流直前・直後,移植後の血中濃度の変動を測定し、移植肺の病態と治療効果を検討し,再灌流傷害の原因を探索することである。さらに、人工心肺を使用した場合には移植後の呼吸機能は明らかに低下する。人工心肺の使用が再灌流傷害を増悪することが予測されるため、人工心肺の影響の検討も行った。両側生体部分肺移植患者に対し,高用量フェンタニルとベクロミウムを用いた全身麻酔を施行した。ドナーに対してば、移植肺の摘出直前にヘパリン300単位/Kgとメチルプレドニゾロン10mg/Kgを静脈内投与した。移植肺の再灌流直前よりメチルプレドニゾロン30mg/Kgを静脈内投与し瓦0の吸入(15ppm)を開始した。麻酔導入後,再灌流直前,再灌流直後,麻酔終了後,移植後1日目の5点において血中インターロイキン2,6,8,10とtumor necrosis factor-alpha(TNF-α)、好中球エラスターゼを測定した。インターロイキン6と好中球エラスターゼの血中濃度は術中の人工心肺中に有意に上昇し、好中球エラスターゼは移植後も高値が持続し、インターロイキン6は人工心肺終了後さらに血中濃度が上昇した。一方、血中TNF-α、インターロイキン2,8,および10は移植前後で有意の変動を示さなかった。人工心肺の使用時間や虚血時間はインターロイキン6や好中球エラスターゼの血中濃度と相関は示さなかった。注目すべき点は、インターロイキン6の血中濃度が人工心肺と再灌流により2段階に増加していることである。肺移植後の炎症性サイトカインの中でインターロイキン6は中心的役割を演じていることが判明し、今後はインターロイキン6の上昇を抑制することにより、肺移植における虚血再灌流傷害が軽減する可能性が示唆された。組織傷害性が高い好中球エラスターゼに関しては、再灌流そのものによる血中濃度上昇は認められず、人工心肺による上昇が主体であることが判明した。このこと二与って、好中球エラスターゼ阻害薬を再灌流時に使用する施設もあるが、肺傷害を軽減する目的でエラスターゼ阻害薬を使用するのであれば人工心肺中からの使用を考慮すべきであることが判明した。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] A new treatment strategy for advanced idiopathic interstitial pneumonia : living-donor lobar lung transplantation2005

    • 著者名/発表者名
      Date H, Tanimoto Y, Goto K, et al.
    • 雑誌名

      CHEST 128

      ページ: 1364-1370

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] A new treatment strategy for advanced idiopathic interstitial pneumonia : living-donor lobar lung transplantation.2005

    • 著者名/発表者名
      Date H, Tanimoto Y, Goto K, Yamadori I, Aoe M, Sano Y, Shimizu N
    • 雑誌名

      CHEST 128, 3

      ページ: 1364-1370

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2005 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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