研究課題/領域番号 |
16591548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永田 太郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70284510)
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研究分担者 |
野田 祐紀子 九州大学, 大学病院, 助手 (10404021)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | dendritic spines / 低分子量Gタンパク質 / dendritic spine / 麻酔薬 / シナプス / RhoファミリーG蛋白質 |
研究概要 |
我々は新しい視点から麻酔薬の作用機序の解明をめざすべく、神経細胞の運動能に対する麻酔薬の効果に注目した。麻酔薬により神経細胞のdendritic spinesの運動性が抑制されることにより、シナプス伝導も抑制され、麻酔効果が現れるという仮説をたてた。 まず、培養細胞をphorbol 12-myristrate 13-acetate(PMA)で刺激すると、膜ラッフリングが形成されることを確認した。この際、麻酔薬で培養細胞を前処置した場合に、膜ラッフリングが形成されなくなるかどうかを調べた。当初は吸入麻酔薬の使用を考えたが、培地中の麻酔薬の濃度を一定に保つことが難しく断念した。次に静脈麻酔薬Propofolを用いて同様の実験を行ったが、ラッフリング形成阻害作用は認められなかった。PMAでは刺激が強すぎると考え、刺激剤としてPDGFを用いて同様の実験を行ったが、やはりラッフリング形成阻害作用は認められなかった。 また、一般にアクチン細胞骨格の再構成にはRac、Cdc42というRhoファミリー低分子量Gタンパク質が関わっていることが知られており、NMDA刺激時の神経細胞における活性化型Rac、Cdc42の定量を、生化学的手法により試みた。しかし、GTPase活性が強い為か、活性化型のRac、Cdc42を検出することは困難を極めた。そこで、やはりdendritic spinesの形態のコントロールに関わっているといわれているRap1の活性化型の定量を、同様の方法を用いて行った。その結果、神経細胞を興奮性アミノ酸であるAMPA、NMDAで刺激しても、それらのアンタゴニストで処理しても、活性化型Rap1の量は変化しなかった。 AMPAレセプター、NMDAレセプターの刺激や抑制により、神経細胞内のRap1の活性は影響を受けない可能性が示唆された。
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