配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
(1)臨床症例における検討 椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症,Failed back Surgery症候群によって難治性の腰下肢痛を有し,同意の得られた症例において硬膜外腔鏡を行った.硬膜外腔鏡は,(1)セルジンガー法を用いてイントロデューサーを仙骨裂孔より硬膜外腔に挿入し,(2)あらかじめビデオガイドカテーテルを装着した細径内視鏡を,イントロデューサーを通して硬膜外腔に挿入し,(3)生理食塩水を注入しながら,硬膜外腔の観察,潅流,洗浄,癒着剥離を内視鏡下で行い,局所麻酔薬とステロイドを投与した. その結果,(1)腰椎手術の既往のあるFailed back Surgery症候群では,高度の癒着が硬膜外腔に存在すること,(2)椎間板ヘルニア例では,ヘルニアおよび神経周囲の結合組織に炎症所見が存在すること,(3)脊柱管狭窄症例では,症例によって充血所見や阻血所見が認められることをを内視鏡で確認した.椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症,Failed back Surgery症候群のそれぞれの疾患群に伴う腰痛と下肢痛は,硬膜外腔鏡によって軽快したが,軽快の程度は病態によって異なることが判明した.また,本法によって腰部MRI所見に変化の生ずる症例を認め,本法の作用機序を解明する糸口となる可能性が示唆された.対象において硬膜外腔鏡に伴う重篤な合併症の発生例は無く,現在の手技における安全性を示差する結果を得た. (2)実験動物における検討 セボフルラン麻酔下のブタにおいて種々の薬剤で誘発される腰痛モデルを作成した.その中でも自家椎間板を用いたモデルでは高度の炎症所見の生じることを確認した.作成した腰痛モデル群および対照群のブタ硬膜外腔に内視鏡下に薬液を投与し,癒着剥離に用いる薬液の種類や投与量によって出現する神経障害に差異のあることが示差された.
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