研究課題/領域番号 |
16591568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加藤 実 日本大学, 医学部, 助教授 (10224510)
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研究分担者 |
柏崎 美保 日本大学, 医学部, 助手 (60328739)
岩崎 賢一 日本大学, 医学部, 助教授 (80287630)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 小児 / 鼠径ヘルニア / 麻酔 / 腸骨鼠径神経ブロック / ロピバカイン / MBPS / 心拍変動解析 / 唾液中クロモグラニンA / 鼡径ヘルニア / 腸骨鼡径神経ブロック / HRV / クロモグラニンA / 鼠径ヘルニア手術 |
研究概要 |
小児の鼠径ヘルニアなどの術後鎮痛に腸骨鼠径神経および腸骨下腹神経ブロック(以下神経ブロック)は広く用いられているが、ロビバカイン至適濃度については明らかにされていない。われわれは、両親の同意を得た患児を対象に、前向きの2重盲検法で、神経ブロック施行時に無作為に0.5%と0.2%ロピバカインのいずれかを用いた2群に分け、両群間の術後鎮痛効果を、行動応答の指標であるMBPSとmCHOPSに加えて、新たに唾液中のクロモグラニンA、自分律神経活動バランスを心拍変動解析を用いて検討した。 <対象> ASA1-2の鼠径ヘルニアまたは陰のう水腫の手術を受けた30名の児(2-5歳)。 <方法>手術前日に自律神経活動を評価するため心電図、クロモグラニンAを測定するため唾液を採取した。前投薬は手術室入室30分前に、ミダゾラム0.3mg/kgを経口投与した。セボフルラン、亜酸化窒素、酸素を用いたマスク導入後、0.5%または0.2%ロビバカイン(以下Rと略す)(0.6ml/kg)のいずれかで神経ブロックを施行した。術中はマスク下で前述の麻酔薬を用いて麻酔を維持した。手術終了3、6時間後に、MBPSとmCHOPSを用いて鎮痛効果を評価、同時に手術前日と同様に心電図測定と唾液を採取した。 <結果>両群の背景因子は差がなかった。合併症は認めなかった。0.2%Rと0、5%群のMBPS中央値は、それぞれ3時間後で(1.0、2.0)、6時間後で(1.0、0)と両群間に有意差を認めなかった。mCHOPSも同様に差を認めなかった。両群ともに追加した鎮痛薬はなかった。クロモグラニンAの測定結果も群内、群間に有意差を認めなかった。心拍変動解析の結果は、値自体にばらつきが大きぐ、群内および群間の変動を正しく評価することはできなかった。 <結語>腸骨鼠径神経および腸骨下腹神経ブロックに使用する際のロビバカインの示適濃度は0.2%であることが明らかになった。加えて唾液中のクロモグラニンA濃度は、小児の鼠径ヘルニアなどの術後疼痛の新しい客観的な指標の1つになる可能性があることが示唆された。
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