研究課題/領域番号 |
16591599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
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研究分担者 |
福森 知治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10314874)
西谷 真明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40304521)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / アポトーシス / ガレクチンー3 / CD8陽性T細胞 / ガレクチン-3 / CTL |
研究概要 |
ガレクチン-3はβ-ガラクトシドに親和性を持つ糖認識ドメインを1つ以上有するガレクチンファミリーの1つであり、癌細胞に血管新生を誘導し、腫瘍細胞のアポトーシスを制御することが報告されている。我々は癌の浸潤・転移に重要なキータンパクのひとつであり、癌細胞に血管新生を誘導し、かつT細胞にアポトーシスを誘導するガレクチン-3蛋白質が腎細胞癌細胞株に強発現していることに注目し、その発現の臨床的意義、予後を規定するバイオマーカーとしての可能性を検討した。また血管新生および癌免疫に重要なT細胞、またNK細胞に関連した細胞障害活性におよぼす影響も検討した。ヒト腎癌細胞株と、腎細胞癌組織および正常腎実質から、total RNAを抽出し、ガレクチン-3の発現をWestern blottingおよびreal-time PCR法で検討した結果、5種類のヒト腎癌細胞株すべてでガレクチン-3の発現を認め、ヒト腎細胞癌組織では、正常実質部分と比較して有意にガレクチン-3の発現が高かった。転移を有する症例では、癌組織のガレクチン-3の発現量と正常腎実質でのガレクチン-3の発現量の比が有意に高く(p=0.035)、転移の予測因子になることが示唆された。また腎細胞癌組織からCD8陽性T細胞を抽出し、ガレクチン-3のアポトーシス誘導効果をフローサイトメーターで検討した。ガレクチン-3は腎細胞癌組織から抽出されたCD8陽性T細胞に結合し、有意にアポトーシスを誘導する(p=0.039)ことから、腎細胞癌の免疫機能からのエスケープに関与していることが示唆された。ガレクチン-3の腎細胞癌、およびその転移巣における血管新生、アポトーシスへの役割を明らかにすることは、これらの癌がさまざまな治療に抵抗性である機序の解明につながる可能性があり、今後さらに新たな遺伝子治療に発展することも期待できると考えている。
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