研究課題/領域番号 |
16591653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
西口 富三 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30198452)
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研究分担者 |
杉村 基 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (30273189)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
茂庭 将彦 国立大学法人浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (00230053)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 静脈血栓症 / プロテインC / プロテインS / PIVKA / 産褥 / PIVKA-II / 血栓症 / APC感受性 / 肥満 / HUVEC / HepG2 / PIVKA-PC / DVT |
研究概要 |
本研究は、VTEの発症機序解明にむけて、1)産褥早期におけるプロテインC(PC)ならびにプロテインS(PS)の抗原、活性、PIVKAの生理的動態を探るとともに、危険因子とされる帝王切開分娩および肥満との関連性、血中エストラジオール(E2)動態との関連性、そしてAPC抵抗性との関連性について評価した。対象は、血栓症の家族歴・既往歴を有さず、母体合併症をともなわない健康産褥婦例33例である。本研究は院内倫理委員会の了承のもと、患者の同意を得て実施した。一方、2)培養細胞実験で、E2動態にともなうPIVKAの変動について検討した。 今回の検討で以下のことが明らかとなった。1)VTE好発時期に相当する産褥早期において、PIVKA-PC、PIVKA-PSが高率に存在すること(各々15%以上、35%以上)、同時期におけるPIVKA-IIは第II因子の約0.1%程度を占めるに過ぎないことを考慮すると、この結果は明らかに高値である。2)PIVKA-PC比率と疫学的危険因子とされる帝切分娩ならびに肥満との相関がみられること、さらに、PIVKAが高比率の場合には活性にも影響がでる可能性があること、そして3)PIVKA上昇の背景には産褥期のE2動態が絡んでいる可能性が示唆される結果を得た。なお、APC抵抗性との関連については有意な相関が得られなかったため、今後の追加評価が必要である。4)周分娩期の生理的な濃度変動に基づいたE2刺激によるHUVEC細胞株におけるPC産生量を評価したが、E2減衰率と産生量との間に変化はみられなかった。 PIVKA-PC、-PSが高率に存在していることは世界で初めての発見である。産褥期におけるVTEの発症機序は未だ解明されておらず、今回の結果は、PIVKAの存在がVTEの発症機序に何かしらの役割を果たしている可能性を示唆するものである。
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