研究課題/領域番号 |
16591721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山根 英雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60145787)
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研究分担者 |
高山 雅裕 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60326254)
角南 貴司子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60315992)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 内耳 / 蝸牛 / 前庭半規管 / 血流 / 一酸化窒素 / tissue factor / 血小板活性化 / 虚血 / 血液循環 / プルミノーゲンアクティベーター / 血小板 / プラスミンーゲンアクティベーター / リポポリサッカライド / グルタメート / アポトーシス / ベッチャー細胞 |
研究概要 |
モルモット内耳蝸牛に対する一酸化窒素(NO)の影響をNO供与剤を用いてin vivoで検討したところ、蝸牛外有毛細胞は濃度依存性に障害を受け、その細胞死はアポトーシスであることが判明した。この実験デザインでは内有毛細胞の障害は認められなかった。内耳蝸牛の基底回転側に存在するベッチャー細胞に関してはその存在は認めるものの機能に関しては全くの不明であったが、細胞基底部に内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)が存在することが判明した。ここより生ずるNOのターゲットやNOSの刺激要因に関しては不明であるが、ガスとしてのNOの存在様式を考えると恒常的に蝸牛において機能していると考えられた。前庭半規管の血管走行を検討したところ、eNOSの存在は認めたが、蝸牛とは違ってバイパス系とも考えられる副血行路は認められなかった。このことは蝸牛管にみられるような部位における機能局在示す構造物は前庭半規管系には存在しないことを示唆するものと考えられた。蝸牛血管条におけるtissue factorおよびtissue factor pathwayの分布を検討したところ前者は血管条毛細血管内皮下、後者は毛細血管内皮上に存在することが判明した。蝸牛における血小板活性化をGP IIb/IIIa、およびp-セクレチンを指標にLPSを正円窓に留置する負荷実験で検討したところ、血小板活性化はらせん靱帯の血管で著明であることが判明した。このことより、蝸牛では血管由来でない外部病原因子はらせん靱帯経由である可能性が臨床に鑑みて考えられた。以上の上記結果から内耳は局所で血流を制御するシステムは存在するが、逆にこれらシステムに破綻をきたす状態が生じたら容易に局所虚血に陥る可能性があることが判明した。
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