研究課題/領域番号 |
16591722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
家根 旦有 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (40220199)
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研究分担者 |
大西 武雄 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60094554)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / 分子標的 / siRNA / 放射線療法 / 化学療法 / p53遺伝子 / 化学シャペロン / NBS1 / 放射線増感 / DNA修復タンパク / 遺伝子導入 |
研究概要 |
われわれはすでに変異型p53遺伝子をもつ癌細胞に対する新しい治療方法として、化学シャペロン効果を有するグリセロールを用いた新しい治療方法の可能性について呈示してきた。このグリセロールを用いた新しい治療方法とは、変異型p53タンパク質が失ったp53タンパク質の機能を正常に戻すことによって治療効果を高めようとする方法である。まず、正常型p53の機能をもつヒト舌癌由来のSAS細胞に変異型p53遺伝子を遺伝子導入し、CDDP(シスプラチン)抵抗性のSAS/mp53細胞と、コントロールベクターのみを遺伝子導入したp53正常型のSAS/neo細胞の2種類を作製した。これら2種類の細胞に対してCDDP投与前にグリセロール処理を行うと、SAS/mp53細胞のCDDP感受性は高くなったがSAS/neo細胞には変化はなかった。In vivo実験でも、これらの細胞をヌードマウスに移植し、CDDP投与前にグリセロール処理を行うと、移植したSAS/mp53細胞の腫瘍増殖速度は抑制され、SAS/neo細胞では変化を認めなかった。以上の結果から、グリセロールは変異型p53もつ癌患者の化学療法に有用であると考えた。また、放射線増感を目的に、2本鎖DNA切断修復酵素であるNBS1の発現をsiRNAを用いて抑制し、SAS/mp53細胞とSAS/neo細胞の放射線感受性の変化を検討した。結果は、SAS/mp53細胞とSAS/neo細胞ともに放射線感受性は増強した。放射線照射によるDNAの2本鎖切断を修復する酵素であるNBS1の発現を抑制することは、p53遺伝子型にかかわらず放射線感受性を増感するものと考えた。
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