研究概要 |
1)パッチクランプ法による神経節細胞Ca電流への緑内障治療薬の効果: 金魚網膜を酵素的に処理し神経節細胞を単離,顕微鏡下に同定した.穿孔パッチクランプをかけwhole cell configurationにてCa電流を測定した. 網膜神経節細胞L-型Caチャネルへのニルバジピンの最小有効濃度が1μMであること,保持電位が-28〜+50mVでCa電流の抑制効果を認めることを認めた.これらの結果と内服投与後の眼内濃度よりニルバジピンは神経節細胞に直接作用して保護しうると推測された.これらの結果はJournal of ocular pharmacology and therapeuticsに平成17年12月に投稿した. 2)Caイメージング法による神経節細胞の低酸素負荷による細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_1)上昇の解析.ラットを用いて,新たに開発した網膜スライス内神経節細胞(GC)選択的Caメージング法を用いて神経節細胞内Ca濃度測定を行った.スライス標本を低O_2条件にするとGCの[Ca^<2+>]_1上昇が認められた,GC(0.14±0.04, Mean±SD)。この[Ca^<2+>]_i上昇はNMDA型glu受容体阻害薬APV(60μM)でGCにおいて樹上突起部で抑制された,神経節細胞層(0.12±0.01,), IPL(0.04±0.04, p<0.005).CNQXはGCの[Ca^<2+>]_i上昇を抑制しなかった.L型Caチャネル阻害薬ニフェジピンはGCでは抑制しなかった(0.13±0.01). 結論:低酸素条件下でのGC樹上突起部での[Ca^<2+>]_I)上昇はNMDA受容体を介する. これらの結果はJapanese Journal of Ophthalmologyに平成18年3月に投稿予定である.
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