研究課題/領域番号 |
16591749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 和明 京都大学, 医学研究科, 助手 (90359810)
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研究分担者 |
桐生 純一 川崎医科大学, 教授 (80281096)
高橋 政代 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80252443)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 白血球-血管内皮相互反応 / 糖尿病網膜症 / スタチン / 高血圧 / 網膜虚血再灌流障害 / 網膜三次元的観察法 / 黄斑浮腫 / ステロイド / 糖尿病 / 網膜光凝固 / アルガトロバン / P-selectin / ICAM-1 / ぶどう膜炎 / 白血球 |
研究概要 |
糖尿病網膜の微小循環におけるスタチンの効果について検討した。スタチンは、糖尿病で亢進する白血球の血管内皮への接着、白血球の網膜組織への集積、ICAM-1及びVEGFの発現、血管透過性のすべてを抑制した。以上から、高脂血症治療薬であるスタチンに、糖尿病網膜症発症予防効果が示唆された。 網膜虚血再灌流障害に対する高血圧の影響について検討した。高血圧ラットでは、虚血再灌流後の網膜への白血球集積、血管内皮への接着が亢進し、虚血再灌流時の組織障害が増悪していた。ICAM-1の発現は高血圧ラットで有意に亢進し、Superoxide dismutase(SOD)投与によって、虚血再灌流時の網膜障害が有意に抑制された。酸化ストレスが、高血圧による網膜虚血再灌流障害の増悪機序であることが示唆された。 マウスの網膜微小循環において、血管外に遊走した白血球の網膜内での動態について三次元的に観察する実験系を開発した。ぶどう膜炎モデルマウスを作製し、白血球の網膜血管外への遊走を観察したところ、白血球は網膜の三層ある毛細血管網のうち、網膜表面から数えて第二層および第三層の毛細血管網から血管外に遊走し始め、血管外へ遊走した白血球は全て、網膜外層へ向かって移動して行った。網膜組織内での白血球の遊走速度は2μm/時であった。 糖尿病黄斑浮腫に対するステロイドの硝子体内投与の奏効機序について、白血球-血管内皮相互反応の観点から検討した。糖尿病ラットにデキサメサゾンの硝子体内投与を行ったところ、糖尿病で増加する網膜毛細血管床に捕捉される白血球数、網膜血管漏出度、網膜におけるICAM-1の発現のすべてが減少した。以上から、ステロイド硝子体内投与による糖尿病黄斑浮腫の改善機序は、ICAM-1を介した網膜微小循環における白血球捕捉を減少させることによる血液-網膜関門破綻の抑制である可能性が示唆された。
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