研究課題/領域番号 |
16591785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
草深 竹志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70263267)
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研究分担者 |
米田 光宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30372618)
福澤 正洋 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60165272)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 小児肝癌 / HepG2 / Huh-6 / β-カテニン / RNA干渉 / pediatric |
研究概要 |
小児肝悪性腫瘍である肝芽腫や肝癌においては、細胞内でβ-カテニン蛋白の過剰発現と核への異常集積が生じ、これが腫瘍形成に関連すると考えられている。β-カテニン遺伝子の欠失変異を持つ小児肝癌細胞株HepG2、点突然変異を有する肝芽腫細胞株Huh-6、さらにβ-カテニン遺伝子変異を有さない肝芽腫細胞株Huh-7において、RNA干渉を用いてβ-カテニンの発現抑制を得ることを試み、そうした条件下で細胞増殖能が抑制されるか否かを検討した。 β-カテニン遺伝子変異を有するHepG2ならびにHuh-6では、siRNA処理によりβ-カテニンの発現はRNA、蛋白両者のレベルで著明な抑制が得られた。また。これに伴って下流の標的遺伝子であるCyclin D1、c-mycの発現が、両細胞株で低下することが観察された。細胞増殖能についても、両細胞株において、処理一日後より有意に生存細胞数の低下を認め、4日目までこの細胞数から判定した細胞増殖能についての抑制が持続した。一方、β-カテニン変異のないHuh-7においてもsiRNA処理によりβ-カテニンの発現抑制が得られたが、Cyclin D1、c-mycの発現低下や、細胞増殖能の抑制にはつながらなかった。 本研究を行うことにより、小児肝悪性腫瘍である3種の肝芽腫および肝癌の細胞株において、RNA干渉の手法により著明なβ-カテニンの発現抑制が得られることが示された。またこの抑制がβ-カテニン遺伝子異常を有するHepG2ならびにHuh-6においては有意な腫瘍増殖抑制の効果をもたらすことが明らかとなり、当該小児肝腫瘍においてはβ-カテニンが遺伝子治療の特異的な標的となりうる可能性が考えられた。
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