研究課題/領域番号 |
16591847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
八巻 真理子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90360221)
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研究分担者 |
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
佐原 紀行 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (70064699)
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350824)
奥村 茂樹 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80350825)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 破骨細胞 / Ca^<2+> / 骨基質 / endocytosis / 細胞内輸送 / transcytosis / vacuole / lysosome / Ca^<+2> |
研究概要 |
破骨細胞は骨に接着すると極性化し、細胞膜は明帯、波状縁、血管側細胞膜の3つの領域に区別される。明帯(clear zone)は、アクチン-インテグリンからなる接着機構で骨表面のビトロネクチンと結合して骨に接着する領域であり、波状縁(ruffled border)は、明帯の内側に形成される膜構造で、骨吸収機能に直接関わる。破骨細胞は、骨基質のミネラル成分や有機質を分解するために、波状縁から酸や加水分解酵素などを分泌し、それと同時に、骨吸収により生じた分解産物を取り込んで、波状縁近傍に多数存在する空胞内で消化し、対極の血管側細胞膜から排泄する機構(transcytosis)を持つと考えられている。しかし、この破骨細胞のtranscytosisには依然として不明な点が多く、特に、骨の分解により生じるCa^<2+>が、破骨細胞内をtranscytosisされるのか否かについては議論がなされるところである。我々は、破骨細胞の骨吸収機能により遊離したCa^<2+>は、波状縁から破骨細胞内に取り込まれ、血管側にtranscytosisされるとの作業仮説を立て、骨片上で培養した破骨細胞と、細胞膜不透過性でCa^<2+>特異的に結合する蛍光色素を用いて、焦点レーザー顕微鏡を観察手段に様々な検討を行った。その結果、Ca^<2+>は微細な2μm以下の顆粒として破骨細胞に取り込まれ、時間経過とともに2〜5μm径の顆粒として細胞内全体に観察された。そこで、波状縁に分布するV-ATPaseの阻害剤バフィロマイシンAを処理したところ、破骨細胞のCa^<2+>の取り込みは完全に抑制され、我々の仮説が立証された。また、取り込み後68〜72時間後にはCa^<2+>顆粒の大きさは5μm径以上になり、ほとんどが血管側細胞膜近傍に認められ、血管側に放出される可能性が考えられた。従って、一度破骨細胞内に取り込まれたCa^<2+>顆粒は、細胞内を血管側細胞膜側に移動しながらリソソームと融合し、やがて放出されるのではないかと考えられた。また、Ca^<2+>顆粒の細胞内の移動方法を検討するため、細胞骨格蛋白質であるアクチンおよびチューブリンの脱重合剤カルシトニンおよびノコダゾールを各々処理した結果、細胞内のCa^<2+>顆粒は拡散、消失し、Ca^<2+>顆粒の移動には細胞骨格が関与していることが強く示唆された。
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