研究課題/領域番号 |
16591859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
筑波 知子 (門脇 知子) 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70336080)
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研究分担者 |
山本 健二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (40091326)
筑波 隆幸 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (30264055)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 歯周病 / 生体応答 / Porphyromonas gingivalis / プロテアーゼ / 動脈硬化症 / ジンジパイン / LPS / 複合体 / ジンジバリス菌 / マクロファージ |
研究概要 |
P.gingivalisは、歯周病原性細菌のひとつであり、糖発酵能を持たず、強力な分解活性を示すプロテアーゼ産生する。なかでもジンジパインは本菌の示す総タンパク質分解活性のうち80%を占める主要なプロテアーゼであり、広範な生体タンパク質を分解・不活性化することから歯周病の病態に深く関与すると考えられている。ジンジパインには基質切断部位の異なるRgpおよびKgpの2つが存在するが、本研究においてジンジパインの膜結合型分子を抽出精製し、それがRgpとKgpの両触媒サブユニットを含み血球凝集素やヘモグロビン結合蛋白質とともに約670kDaの複合体を形成していることを見出した。この複合体は単量体酵素よりも、コラーゲンやエラスチンなど不溶性生体タンパク質を著しくよく分解し、歯肉線維芽細胞や血管内皮細胞に対して強力な傷害性を示した。また、この複合体はLPSをその構成要素として含んでいるにもかかわらず、マクロファージ活性化能が低いが、この複合体を熱処理やプロテアーゼ処理したものはサイトカイン産生を誘導した。この複合体を形成することによって免疫機構から回避していると考えられる。また、我々はRgpおよびKgpの基質切断部位の特異性を基にこれらに対する合成阻害剤を開発した。KYT-1,36はそれぞれRgpならびにKgpに対して強い阻害活性を示し、KYT-41は両者を阻害するデュアルインヒビターである。KYT-1を作用させた細菌は細胞傷害性や血球凝集活性が顕著に低下し、KYT-36は細菌の増殖を抑制した。KYT-1と36の併用ではP.gingivalis培養上清中のタンパク質分解活性がほぼ完全に阻害され、多形核白血球による殺菌作用の障害や血管透過性の亢進も認められなくなった。KYT-41は単独で、1と36の併用と同様の効果を示した。P.gingivalis感染はアポリポプロテインE(Apo E)欠損マウスにおいてアテローム性動脈硬化症進行を促進するが、ジンジパイン欠損株ではこのような動脈硬化促進作用が認められなかった。また、前述のKYT化合物を投与したマウスにおいても動脈硬化促進が抑制された。すなわち、P.gingivalisはジンジパイン(特にRgp)の作用を介して、全身性に影響を与え、虚血性心疾患の発症・進行に関与しているものと考えられた。さらに、これらのジンジパイン阻害剤を巧みに組み合わせて利用することによって、歯周病だけでなくこれに関連した全身性疾患の予防と治療に応用できる可能性が示唆された。
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