研究課題/領域番号 |
16591870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
小松 浩一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (60153665)
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研究分担者 |
柴田 達也 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90323708)
島田 明美 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00339813)
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 歯の再植 / 創傷治癒 / アレンドロネート / PDGF / 歯根膜の支持機能 / PDGF受容体 / 細胞増殖 / 骨性癒着 / ビスフォスフォネート / 歯根吸収 / 骨吸収 / 歯髄石灰化 |
研究概要 |
1.歯の再植における問題点の一つは歯根の吸収や癒着が起こることである。そこで、ラット臼歯再植モデルを用い、骨の吸収や異所性石灰化を抑制するビスフォスフォネートが歯根吸収や癒着を抑制するかどうかを調べた。抜去歯をビスフォスフォネートのひとつであるアレンドロネート(ALN)1mM(ALN群)或いは0.9%NaCl溶液(SAL群)に浸漬後、再植した。SAL群は14及び21日に骨性癒着が多く出現したが、ALN群では少なかった。ALN群の歯根膜強度は徐々に増大し21日目に非再植歯の67%まで回復した。更に、60及び120目目にマイクロCTによる解析を行ったところ、歯根及び骨の吸収の発生率はALN群でSAL群より有意に少なく、ALNの局所適用は再植2及び4ヶ月後でも長期効果を示すことが判明した。この結果はアレンドロネートの臨床応用の可能性を示唆する。 2.次に歯根膜細胞の増殖を促進する血小板由来増殖因子(PDGF)が歯根癒着を抑制し歯根膜修復を促進するかどうかを調べた。抜去歯をPBS(PBS群),アテロコラーゲン溶液(溶媒群)或いはPDGF-BB5μg/5μl含有溶媒(PDGF群)に浸漬後、再植した。14及び21日目に溶媒群では歯根の癒着が多かったが、PDGF群では歯根の骨性癒着が少なく、歯根膜には多くの斜走コラーゲン線維が観察された。PDGF群の歯根膜機械的強度は徐々に増大し21日目に非再植歯の53%まで回復した。 3.このPDGFによる歯根膜修復の促進メカニズムを明らかにする目的で、PDGF受容体の局在及び細胞増殖について調べた。再植後1〜7日目に歯根膜損傷部が細胞で埋まっていく過程が観察された。PDGF群ではこの過程が促進されていた。PDGF群では再植後1日目に損傷部付近に集積した細胞の突起にPDGFβ型受容体陽性反応が強く認められた。BrdU標識細胞は再植後1日に主として根尖部歯根膜、根分岐部歯根膜及び骨髄で認められ、PDGF群では標識細胞が増加していた。3及び7日には、PDGFβ型受容体陽性反応やBrdU標識細胞は減少していた。この結果から、再植歯の初期創傷治癒に対するPDGFの効果の一つはPDGF受容体を介した細胞増殖の促進であることが示唆された。
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