研究課題/領域番号 |
16591873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
今村 泰弘 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00339136)
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研究分担者 |
王 宝禮 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20213613)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 歯周病 / 歯肉線維芽細胞(HGF) / ヒスタチン / 熱ショック蛋白質 / 歯肉線維芽細胞 / 細胞増殖 / 熱ショックタンパク質 |
研究概要 |
歯周疾患は歯周病原因菌の刺激により、歯・組織や歯槽骨の破壊を引起こす。これらは炎症細胞間の複雑な相互作用で惹起される。我々は、歯周病菌LPSやプロテアーゼによる歯肉線維芽細胞(HGF)の炎症性サイトカイン産生や組織破壊について報告した。一方、唾液ヒスタチン(Hst)の抗カンジダ作用、う蝕菌増殖抑制等やAIDSのHst発現量減少が示唆された。我々はHstが歯周病菌プロテアーゼ活性抑制やHGF増殖促進について明らかにした。そこで、口腔組織におけるHstの局在を調べてその機能を予想し、Hstと相互作用するHGF由来蛋白質の同定とその分子機能を調べた。 抗Hst抗体により口腔組織を免疫染色すると、耳下腺、顎下腺、舌stratum granulosum、頬粘膜prickle-cell layerにHstが存在した。Hstは耳下腺、顎下腺で特異的に発現し、組織細胞間隙或いは細胞内に移行することが示唆された。 カンジタ菌熱ショック蛋白質(HSP)SSA1/2pがHstと結合し抗菌作用を示す為、ヒトHSPとの相互作用を調べたところ、HSC70と結合した。HstのHSC70への結合はペプチド結合領域を介し、Hstは細胞内にエンドサイトーシスで取込まれ、HSC70と共に核内に移行した。これは細胞の熱処理で顕著だったことから、Hstの核内移行はHSC70に依存することが示唆された。HSPは、蛋白質構造形成、変性蛋白質リフォールディングや凝集阻害、分解排除といった機能を有し、DNA複製・転写と関連し、Toll様受容体リガンドとなる等、細胞恒常維持と関係する。今回の結果は、HGFの増殖・生存への関与が示唆された。Hstと細胞内因子との相互作用は現在報告されておらず、HstとHSP間の生理的意義を更に解明することで口腔疾患に応用でき、生体防御や再生機能を生かしたHstの創薬開発に結びつくと思われる。
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