研究課題/領域番号 |
16591898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
今井 一志 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (10328859)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 口腔癌 / HMGA2 / 転写因子 / sChIP / SChIP |
研究概要 |
胎児発生過程の未分化間葉系細胞の分化と成長に重要な役割を果す転写因子であるhigh mobility group I-C(HMGIC、HMGA2)が、ヒト口腔扁平上皮癌細胞に高頻度に発現し、口腔癌患者の5年生存率と密接な関連をもつことから、HMGA2が結合し転写調節をおこなう標的遺伝子を網羅的に解析することを目的として研究を行っている。我々は、転写因子標的遺伝子を網羅的かつ簡便に同定することを可能にするsChIP法を開発し、特許出願を行っている(特願2005-29285)。sChIPにより約100種類のHMGA2標的遺伝子を同定し、それらの中で特に口腔癌の進展に関わっていると予想される5種類の遺伝子(転写因子3種類、シグナル伝達分子2種類)に焦点を絞り、HMGA2の発現との関連を逆転写PCRで解析した。HMGA2発現が低下する分化誘導後のヒトケラチノサイト細胞株(HaCaT)では、これら5種類の標的遺伝子の発現はほとんど認めなかったが、脱分化後のHaCaTでは発現レベルの亢進を認めた。また、HMGA2非発現口腔癌細胞株(KOSC2、HO1u1)に比較して、HMGA2発現口腔癌細胞株(HOC313、TSU)では標的遺伝子の発現レべルが上昇していた。従って、これらの標的遺伝子はHMGA2の発現により、悪性度の高い口腔扁平上皮癌細胞に発現していると思われる。そこで、HMGA2による遺伝子発現制御機構を詳細に解析するため、これら標的遺伝子のHMGA2結合部位を中心としたゲノム領域の下流にルシフェラーゼ遺伝子を繋いだコンストラクトを構築し、レポーターアッセイを行っている。また、ニュージャージー医科歯科大学Kiran Chada教授の協カの下、HMGA2遺伝子欠損マウスから単離培養した皮膚ケラチノサイトにおける標的遺伝子発現の変化についても解析中である。今後、HMGA2標的遺伝子を発現あるいはノックダウンさせた癌細胞株を樹立し、造腫瘍性、浸潤・転移性および細胞表現型に対する直接的な作用を詳細に検討する予定である。
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