研究概要 |
1.Isoproterenol(IPR)を投与して分泌顆粒を排出させたマウス耳下腺にエックス線を10Gy,20Gy照、射し,3日後の影響を,光顕による組織像の観察,TEM像による耳下腺腺房細胞内の分泌顆粒の数と面積,さらに3Hleucineを用いた光顕オートラジオグラフィ(LMARG)により検討し,マウス耳下腺腺房細胞の分泌顆粒を排出させた状態での放射線照射は,形態変化,分泌材料の摂取,排出に及ぼす影響が軽減されることがわかった。 2.舌下腺の半月細胞の分泌顆粒を放出させた状態で放射線を照射し、細胞内への摂取、タンパク合成および排出に及ぼす影響を組織化学的に検討した。IPR投与3時間後のマウスの舌下腺にX線を10Gyまたは20Gy照射し、3日後の影響について^3H-leucine投与30分後、120分後のオートラジオグラフィにより追究した。分泌顆粒を排出した状態で放射線照射された舌下腺の半月細胞は、IPRのタンパク合成に対する影響が少ないことがわかり、IPRにより放射線の影響を軽減する可能性が示唆された。 3.耳下腺を含むマウスの顎部に5G又10GyのX線を,照射する30分前に放射線防護剤のamifostineを投与し,30日後の生存および耳下腺の変化をHE染色像,光顕オートラジオグラフィ(LMARG)で検討した。放射線照射前のamifostineの投与は耳下腺に及ぼす放射線の影響を軽減するが,amifostineの投与量によっては生死に関わる影響をもたらすことが示唆された。
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