研究課題/領域番号 |
16591905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八巻 惠子 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (90182419)
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研究分担者 |
島内 英俊 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70187425)
佐藤 拓一 東北大学, 大学院歯学研究科, 講師 (10303132)
遠藤 英昭 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (80168830)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 根尖性歯周炎 / PCR / 根管内滲出液 / 16S ribosomal RNA |
研究概要 |
根尖性歯周炎は、根管系に侵入した口腔細菌に起因して根尖部歯周組織に炎症が波及した疾患である。本研究では根尖性歯周炎の治療経過に伴う感染根管内細菌叢の質的及び量的動態を明らかにすることを目的として、real-time PCR法を用いて根管治療開始時と根管充填直前の根管内総細菌量を定量解析するとともに、16S rRNA genesのクローニング法とシークエンス法を用いて、根管内細菌叢の構成細菌種の変化についても比較検討した。 インフォームドコンセントを得た5名の患者を被験者とし、根尖性歯周炎罹患歯(6歯)を研究対象とした。象牙質中の細菌量は、根管治療開始時、0.36 152.00(平均52.7±54.1)ng/mLであり、一方、根管充填直前においては、0.02-36.00(平均10.9±16.6)ng/mLであった。根管充填直前の象牙質中の細菌量は、根管治療開始時よりも少ない傾向にあった。得られたクローンのシークエンス解析の結果、根管治療開始時において、Fusobacteriumが最も優勢であったが、根管充填直前においては、Pseudomonas, Bradyrhizobium, Methylobacteriumが優勢であった。系統樹解析では、根管治療開始時と根管充填直前の根管内細菌叢は、系統的に異なった細菌種から構成されていることが明らかとなった。 以上の結果から、感染根管治療前後においては、これまで考えられていたように治療前に存在した細菌叢が単に量的に減少するばかりでなく、質的、すなわち構成細菌種の変化が起きることにより、根尖部歯周組織の炎症が改善する可能性が示された。これは、根管治療時に機械的化学的清掃と根管内貼薬を実施することによって根管内の環境が変動し、その結果、生存できる細菌の種類が変化するためと考えられる。
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