研究概要 |
Na_2O-K_2O-CaO-ZrO_2-SiO_2系ガラス繊維とポリメタクリレートを複合したファイバーポスト(CZポストと略す)を引抜き法および連続加熱重合法で成形して,曲げ特性を調べて,さらにサーマルサイクル試験および温水浸漬試験を行ない耐久性について昨年に続いて詳細に調べた. 1.引抜き法で成形したCZポストの曲げ弾性係数(E)はガラス繊維体積含有率(V_f)を大とすると直線的に大となり,V_f 40%では31.5GPaであり,EとV_fの関係はE=0.71 V_f+3.1であった.ポストの曲げ強さはV_f 40%で670MPaであった.また,CZポストのサーマルサイクル試験(試験回数20000回)の曲げ弾性係数は31.1GPaとなり,その変化率は98.7%であった.温水浸漬試験(60℃,20日間浸漬)の曲げ弾性係数は30.3GPaとなり,その変化率は96.2%であった.いずれの耐久性試験でも曲げ弾性係数はほとんど変化しなかった. 2.連続加熱重合法で成形したポストの曲げ弾性係数もV_fを大とすると直線的に大となり,V_f 40%では28.1GPaであり,EとV_fの関係はE=0.65V_f+3.1であった.ポストの曲げ強さはV_f 40%で805.3MPaであった.また,ポストのサーマルサイクル試験の曲げ弾性係数は29.7GPaとなり,その変化率は100%であった.温水浸漬試験の曲げ弾性係数は27.7GPaとなり,その変化率は99%であった.いずれの耐久性試験でも曲げ弾性係数はほとんど変化しなかった. 以上,CZポストの弾性係数は金属ポストに比較して象牙質に近似し,耐久性と生体親和性に優れたポストであり,実用の可能性が示唆された.
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