研究課題
基盤研究(C)
エナメル上皮腫は、最も発生頻度の高い歯原性腫瘍であり、本腫瘍の局所侵襲能には様々な程度のものが存在するにもかかわらず、治療法選択のための診断基準は明確でなく、その遺伝子変異も全く報告がなかった。そこで本研究では、類似の腫瘍において変異が報告され、歯の発生過程にも深く関わる遺伝子であるCTNNB1とPTCH1とに着目し解析を行った。その結果、14例中1例のエナメル上皮腫(叢状型)においてCTNNB1のリン酸化部位に体細胞変異が確認された。また、患者群のPTCH1において、9箇所の1塩基多型と1箇所の3塩基CGGの繰り返し数多型(8回繰り返しアレルCGG8と7回繰り返しアレルCGG7)が確認された。各箇所の多型について、症例・対照研究を行ったところ、患者群においてCGG8の存在頻度が有意に高いことがx^2検定にて示された。続いて、遺伝子型間での発症に関わる相対リスクを評価するために、CGG7/CGG7を基準としてオッズ比を求めたところ、CGG7/CGG8からCGG8/CGG8へとCGG8の数が増すにつれオッズ比が増加していた。この結果をMantelの傾向性検定にて検定したところ、その増加傾向が有意であることが示された。以上の研究は、エナメル上皮腫発症に影響する可能性のある体細胞変異と遺伝子多型を初めて示唆したものであり、本腫瘍の遺伝子レベルでの病態解明に寄与するところが大きい。
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