研究課題/領域番号 |
16592045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 栄二 広島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40273693)
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研究分担者 |
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30159032)
渡邊 峰朗 (渡邉 峰朗) 広島大学, 病院・助手 (80325183)
佐々木 彰子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00325177)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 中枢神経系 / グルタミン酸 / NMDA受容体 / 疼痛伝達 / MK-801 / セロトニン / 下降性抑制系 / 実験的歯の移動 |
研究概要 |
本研究では、実験的歯の移動時のMK-801全身投与による三叉神経知覚核群と下降性痛覚抑制機構核群のc-Fos陽性細胞発現を検索するとともに、下降性痛覚抑制機構の影響を検討し、これらを総合的に評価することによりMK-801全身投与による痛覚抑制機構を解明することを目的とした。さらに、近年、咀嚼機能の重要性が取り上げられていることから、咀嚼機能の変化が痛覚抑制機構に及ぼす影響についても検索した。 8週齢Wistar系雄性ラットに対し、MK-801(濃度0.03〜3mg/kg)を腹腔内投与し、その後Waldo法に準じて上顎臼歯の実験的歯の移動を惹起した。実験的歯の移動開始2、4、12および24時間後に脳の連続凍結切片を作製し、LSAB法にてc-Fos免疫組織化学染色を実施した。結果、三叉神経知覚核群においてはMK-801の濃度依存的にc-Fos陽性細胞数は有意に減少するのに対し、下降性痛覚抑制系においては有意に増加することが明らかとなった。このことはNMDA受容体を遮断することによって、実験的歯の移動に伴う侵害性刺激を中枢レベルで効果的に抑制することが可能であることを示している。さらに、咀嚼機能の向上が疼痛閾値を上げ、,疼痛抑制に関連することが報告されていることから、軟性餌と固形餌でそれぞれWistar系雄性ラットを飼育し、その後オトガイ部へのCFA皮下注射による炎症性刺激を加え、三叉神経脊髄路核尾側核におけるc-Fos陽性細胞数について検討した。結果として、固形餌飼育群では脊髄路核尾側核浅層(I-II層)のc-Fos陽性細胞数が軟性餌飼育群と比較して有意に少ないことが明らかとなった。このことは固形餌飼育による適度な咀嚼刺激が疼痛閾値をあげる効果があることを示している。 以上のように、生体内には疼痛刺激に対する様々な疼痛抑制機構が存在することが明らかとなった。今後はこのような疼痛抑制機構のメカニズムを解明していきたい。
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