研究分担者 |
渡辺 久 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40143606)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90193937)
野口 和行 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90218298)
木下 淳博 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10242207)
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研究概要 |
1.ビーグル犬において,分岐部の不良肉芽組織の除去および歯周病罹患根面(象牙質)のディブライドメントをEr : YAGレーザーあるいは通常の手用キュレットで行い,組織学的に比較検討した.レーザー治療は安全で迅速であり,組織学的評価により歯周組織の付着はほぼ従来の処置と同等であり,新生骨形成においては有利となることが示唆され,臨床応用の可能性が示された. 2.ビーグル犬において歯周病罹患根面(セメント質)のディブライドメントを機械的に,あるいはレーザーで行い比較した.結果として,レーザー処置部は直後にわずかな変化層を生じるが,従来の機械的処置と同程度の治癒成績を示し,臨床的な有効性と安全性が示唆された. 3.Er : YAGレーザーによる歯周病罹患根面のディブライドメントおよび不良肉芽組織の除去への臨床応用を行った.約10名の患者の同意を得て,レーザー治療あるいはコントロールとして従来の機械的処置を行い,各臨床パラメーターについて,3か月後,6か月後,1年後の評価を継続して行った.その結果,レーザー治療による有効性および安全性が確認された. 4.照射後のセメント質の各種処理法について,歯根膜細胞を用いて細胞付着状態の検索を行った.レーザー照射面への細胞付着は減少するが,テトラサイクリン,EDTAなどの各種化学的および機械的処理で生体親和性が回復することが確認された. 5.低出力のEr : YAGレーザー照射において歯肉線維芽細胞の増殖効果が認められ,臨床応用においてレーザー治療は治癒促進につながる有利な効果を有することが明らかにされた. 6.広範囲な歯肉のメタル・タトゥの除去のため,Er : YAGレーザーを用いた新しい術式をさらに考案した. 7.歯周組織および歯科用金属の透過率,反射率,吸収率などの光学的特性解析を行い,各種レーザーの臨床応用における重要な基礎的所見を得た.
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