研究課題
基盤研究(C)
安全な医療提供システムを考える時、医療用薬品だけでなく、従来は余り注目されてこなかった補助的な薬品の適正使用も大切である。今回は、薬品関連の医療事故の誘因を探るとともに、医療現場の実地調査を通して「院内薬品全般の適正使用」の対策の構築を目的として調査・研究に取り組んだ。1 はじめに、判例集のデータベースに注目して、過去30年間に医療事故として係争された事例に登場する消毒薬を抽出して、医療事故を引きこした背景を調査した。2 2つの施設を実地に訪問して、1)使用(在庫)消毒薬の種類、2)消毒薬を起因とするアクシデント・インシデント事例、3)院内での消毒薬の保管状況の実際を把握、4)「消毒薬の扱い」についての看護職者の研修の状況 などを調査した。3 2の結果を参考としながら、東海4県内の病院について、a使用消毒薬の種類、b消毒薬の希釈・調製の実態、c消毒薬の計量操作とシリンジの使用実態、d消毒処置現場での医師からの指示の出方、eその他の消毒関連問題などについて、調査票を郵送して回答を得た。また、3つの医療機関では、勤務する看護師(約1600人対象)を対象として、「消毒」に対する意識調査を行った。4 A県の病院の耳鼻咽喉科における鼻咽喉内視鏡の消毒操作の実態調査を行った。具体的には、日常に使用中の消毒液(グルタールアルデヒド)の濃度の推移と有効性の目安となる水素イオン濃度測定を6ヶ月間調査した。並行して看護スタッフの消毒操作の実態の調査を行った。これらの調査結果は、学会での発表および一部は論文として公表した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
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