研究課題/領域番号 |
16592128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
永嶋 由理子 福岡県立大学, 看護学部, 助教授 (10259674)
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研究分担者 |
山川 裕子 佐賀大学, 医学部, 講師 (00259673)
安永 悟 久留米大学, 文学部, 教授 (60182341)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 看護技術 / 血圧測定 / 思考 / 熟達 / 熟達化 / 看護学生 |
研究概要 |
S大学の看護学生24名を被験者とし平成17年8月〜9月にかけ実験を実施した。実験方法としては、2人1組のペアとなり水銀血圧計による血圧測定を1日20回×4日間の計80回実施した。被験者の思考の深まりを検討するために、血圧測定を振り返り、そこでの気づきを記録する実験群と、記録しない統制群を設けた。その結果、主観的な動作の向上は、一部の被検者を除き、両群とも第1段階(単純に原理原則の動作が上達)と第2段階(その原理原則をさらに改良させて自分なりの手順が生まれ、その動作を確実に実行)に進むことが確認された。思考中心の認知的変化として、記録あり群では測定することへの精神的なゆとりが生まれると、手順のみに関心を寄せていたことから(自己のことが中心)、対象者への関心や注意が生まれ、測定時の対象者の反応を評価しアセスメントして次の測定を検討するなどの変化が起こった。これらのことから、動作の向上は、基礎力の段階から応用力の段階に進むにつれ、思考も基礎力(自己のこと)から応用力(他者に対する判断や問題解決等)に深化していることが示唆された。動作と思考の関係は、反復練習→動作の自動化→思考の深化をたどることが検証されつつある。 知覚中心の認知的変化では、記録あり群・記録なし群に有意な差は認められず、記録を書かせることと知覚との間には有意な関係は見いだせなかった。記録を書かせることは、思考中心の認知的側面にプラスの変化をもたらすが、知覚中心の認知的側面には影響を及ぼさないことが示唆された。これらのことからも、看護技術の要素は、動作の向上のみでなく、そこには必ず認知的側面ここではとくに思考が不可欠であり、この両者の関係性を高めることが看護技術の熟達化につながるものと思われる。 また、思考中心の認知的側面において、一部の学生はプラスの感情変化(動作が向上するに連れ「楽しい」という感情が生まれた)が起こっており、その感情変化が血圧測定の動作や思考の向上にもプラスの効果をもたらしている可能性が示唆された。
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