研究課題/領域番号 |
16592175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田中 美恵子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
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研究分担者 |
濱田 由紀 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00307654)
小山 達也 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (90408568)
嵐 弘美 東京女子医科大学, 看護学部, 助手 (50439832)
柳 修平 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30145122)
若狭 紅子 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (10279705)
江波戸 和子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (60318152)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 精神障害 / 倫理 / 看護 / 人権 / 精神科看護 / 倫理教育 / 倫理的ジレンマ / 倫理的対立 / 論理 |
研究概要 |
1.精神科看護師が体験している倫理的問題、そこにある価値の対立、倫理的問題を構成する価値の要素を明らかにするために、臨床経験3年以上の28名の精神科看護師に面接調査を実施し、質的に分析した。その結果、倫理的問題の内容として、「患者の権利」、「治療」、「退院・長期入院」、「移送・救急入院」、「患者の状態」、「病棟規則」、「人」、「ケア」の8カテゴリーが抽出された。また価値の要素は、<患者の権利><治療的価値・看護の専門的価値><病院という場や機能><現実の限界><個人的価値><文化的価値><患者以外の人間の尊厳や権利>に分類され、臨床ではこれらの価値の対立が生じていることが明らかになった。 2.上記の調査結果をもとに、「精神科看護師が倫理的問題を体験する頻度と悩む程度」の質問紙を作成し、国公立対民間の比例層化無作為抽出法により、28施設882名の看護師に質問紙調査を実施した。分析の結果、「倫理的問題を体験する頻度」が高い項目は、家族の高齢化、家族の病気理解の不十分さ、社会資源の不足等による退院の困難であった。また「倫理的問題を体験する頻度」の合計得点との間に有意な関連がみられた項目は、免許(看護師>准看護師)、病棟の措置入院患者の受け入れの有無(有>無)、病棟の夜間や休日の入院患者受け入れの有無(有>無)、病棟の開放度(閉鎖>開放)、病棟の特徴(急性期>回復期)などであった。「倫理的問題を体験する頻度」は、<職場環境><強制治療><看護師の責任と感情><チーム医療><退院と意思決定><病名告知>という6つの因子から構成されていた。 3.米国の精神科看護倫理の専門家による講演を2回実施し、参加者へのアンケート調査を行った。その結果、臨床現場に即した倫理教育プログラムの開発の必要性や、文化的考慮の必要性などが示唆された。 今後は、(1)質問紙を精錬し倫理的問題の実態をさらに分析すること、(2)臨床現場での倫理教育の実施が課題である。
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